プーチンが外国人を“肉の盾”に!ロシア国籍&高額報酬と引き換え「兵士穴埋め工作」の驚愕実態

 ウクライナとの戦争で兵士不足に苦慮するプーチン大統領のなりふり構わぬ「肉の盾」穴埋め工作に、ネパールやウズベキスタン政府が頭を抱えている。

 ネパールのダハル首相が11日、同国からロシアへと渡った推定200人がロシア軍に加わっていると明らかにした。12月に入り、ウクライナとの最前線でロシア軍に所属する6人のネパール人兵士が死亡したことを受け、現状を調査して判明したもようだ。

「200人は観光や就学ビザでロシアに入国。高額な報酬やロシア国籍の取得と引き換えに、外国人雇い兵として前線に送られているようです。ネパールでは唯一、協定で認められた山岳民族出身の『グルカ兵』のみが、イギリス軍、インド軍に所属できるものの、他の国民が外国の部隊に参加することを法律で禁じています。今回の事態を受けネパール政府は、死亡が確認された遺体の返還と家族への補償、並びに自国民を兵士として採用せず、入隊者も送り返すようロシア政府に要請しています。とはいえ現実問題、貧しさから国外に雇用を求めるネパール人は多く、兵員不足のロシア側もすぐに要請を受け入れるとは思えないので、この状況はまだ続くとみて間違いない」(ロシア情勢に詳しいジャーナリスト)

 ロシアは去年9月、30万人の動員に踏み切ったものの、多くの国民が反発。結果、多くの男性が国外脱出を図ったことを受け、プーチン氏は今年9月30日、同国軍に入隊した外国人に対し、ロシア国籍付与手続きを簡略化する大統領令に署名した。

「政府発表の文書によれば、対象は基本、ロシア軍に半年以上従軍した外国人で、例外として、負傷により従事不可能となった場合も従軍歴が半年未満でもその対象となり、配偶者や子供や親も、国籍付与手続が簡略化されるというものです。加えて、母国では得られないような高額な報酬をちらつかせて募集をかけていますから、背に腹は代えられない若者たちが観光や就学のビザで入国し、どんどん戦地に送られているようです」(同)

 BBCなどの報道によれば、ロシア政府が念頭に置いているのは、中央アジアの旧ソビエト連邦構成5カ国出身者だとされ、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタンの4カ国は、ロシア軍に参加しないよう自国民に呼び掛けていると伝えているが、ほかにもキューバや、アフリカのソマリアなどからロシア軍へ参加する兵士が急増しているという報道もある。

「とはいえ、国籍と高額報酬という条件を提示しているのならまだしも、BBCの報道によれば、ここ最近はフィンランドに送り込もうとした外国人の不法移民を、ビザの期限切れを理由に拘束し、そのままウクライナとの国境にあるロシア軍のキャンプに送っている事実が確認されたといいますからね。事実なら人権蹂躙も甚だしい。おそらくは、来年3月に大統領選を控え、外国人による『兵士穴埋め工作』で徴兵に敏感な国民の反発を和らげたいというプーチンの狙いがあるのでしょうが、言ってみれば国を挙げて拉致監禁し、人間の命を虫けらのように扱っているわけですから、この独裁者の姑息な手口には憤りを覚えるばかりです」(同)

 受刑者兵士に続く外国人兵士、なりふり構わぬ兵士獲得工作は、いったいいつまで続くのだろうか。

(灯倫太郎)

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