プーチン大統領にベタ惚れ、スティーブン・セガールが米露交渉の重要人物になる?

 10年以上の日本在住歴があり、日本語は堪能。俳優デビューは30代後半と遅咲きながら、「沈黙の戦艦」(1992年)をはじめとする“沈黙シリーズ”で知られる世界的な米アクションスターのスティーブン・セガール氏。2019年公開の「沈黙の鉄槌」以来、映画への出演は一切なかったが、ロシア国営のネット番組サイト「Smotrim(スモトリム)」に彼が出演する「正義の名のもとに」という作品が10月10日から配信開始。現在も同サイトで視聴可能だ。

 ただし、本作は映画ではなくドキュメンタリー。動画は約30分の内容で、黒海に面したウクライナ東部の港湾都市マリウポリを訪問。この街は22年5月にロシア軍が陥落させたが、セガール氏はウクライナ側の拠点だったアゾフスタリ製鉄所にも足を運んでいる。

 なんと、彼はそこでウクライナ軍に拷問を受けたという住民に自らインタビューを行っている。また、動画の中ではロシア軍が侵攻を始めた翌日、「私は大統領とともに戦う」という内容の手紙をプーチン大統領に送ったことも明かしている。

 実はセガール氏は16年にロシア国籍を取得しており、そのまま移住。プーチン大統領とも何度も面会しており、18年には同国外務省から人道分野での対米関係の特使に任命されている。

「どちらも空手、武道を嗜んでおり、その縁で交流を深めたようです。セガール氏は大統領に心酔していると言われており、戦争前から賞賛するコメントを繰り返しています。そのため、マインドコントロールされた可能性を疑う声もあるほどです」(ロシア事情に詳しい全国紙記者)

 ちなみに米露関係は、トランプ氏が大統領に再任することで関係改善を図ると予測するメディアも多い。もしそうなった場合、セガール氏にも影響がありそうだが…。

「米国時代の彼はトランプ氏が所属する共和党の支持者。特使としてさらに重要な役割を担う可能性も指摘されています」(同)

 ハリウッドで一時代を築いた人気アクション俳優は、この両国の間でどのように立ち回るのだろうか? リアル版沈黙シリーズの今後の展開に注目だ。

※画像は、無料配信中のドキュメンタリー動画「正義の名のもとに」より

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