トップ騎手「デムーロ」絶不調の裏事情(2)ライバル騎手や調教師も公然と苦言

 ラフで独り善がりな騎乗スタイルが、馬主や調教師、そして騎手仲間から反感を買っていることも、不振を後押しする一因となっている。

 以前、小牧太は競馬情報サイト上のインタビューで公然とデムーロ批判を展開。7月28日のアイビスSDでは、デムーロの強引な進路取りで不利を受けて7着に沈んだ江田照男がレース後の検量室でデムーロに詰め寄り、激高している。

「馬をぶつけてくる、自分の馬の脚色が怪しくなったのに他馬の進路を締める、レース中に馬を寄せて肘打ち‥‥。17年の皐月賞では、勝利した松山弘平に向かって中指を立て、騒然となった。今年の皐月賞でも、レース後に川田と殴り合い寸前の大ゲンカになっている。あらゆるラフプレーで他の騎手とモメ、総スカン状態です」(競馬ライター)

 調教師や競馬関係者の間での評価が決定的となったのは、今年4月28日の天皇賞(春)。2番人気エタリオウでのレースぶりだった。デムーロは、まさかのドン尻からの競馬を展開する。4着に終わったレース後、

「ペースが速くなると予想して、後方を選択した。性格が難しいところもあるため、今回は新たな可能性に賭ける競馬となった」

 とコメントしたが、それで納得する者は誰もいない。競馬ファンからは非難が殺到し、元騎手の安藤勝己氏までが、

「さすがにスタートからあそこまで下げたら届かない。力負けでないことは確か」

 と批判すれば、管理する友道康夫調教師も公然と、

「あの位置取りは厳しかったですね」

 至るところからブーイングが巻き起こったのである。

「競馬ファンの間では『デムーロ馬券はもう買うな』の声まで噴出している」(競馬ライター)

 そんなデムーロは今年、1番人気馬で重賞を6回負けており、「かつての神通力は感じられなくなった」という失望も渦巻いている。神通力がなくなれば、クラシック候補と呼ばれる馬も回ってこなくなる。

「(天皇賞の因縁馬)エタリオウの異父妹アドマイヤチャチャが9月にデビューしますが、騎乗するのはデムーロではなくルメールです」(競馬ライター)

 粗暴騎乗に加え、馬を壊してしまう騎乗ぶりも問題視されており、

「故障、引退を余儀なくされたドゥラメンテ、リオンディーズ、サトノワルキューレ、ジュエラー、アドマイヤミヤビ‥‥いくつも挙げられます。その反面、手応えが悪くなると早々に諦める。そしてレース後には『なぜ走らなかったのか、わからない』『馬が仕上がっていない』というお決まりのコメント。これでは乗せるほうも困ってしまいます」(競馬ライター)

「敬遠包囲網」のドロ沼にハマるデムーロは、屋上プール付き豪邸がある京都のスナックが息抜きの場のようだが、

「その店のホステスとの仲が悪化、あるいはケンカすると、とたんに不調に陥る」(トラックマン)

 ターフ外にも「強敵」。秋のGⅠ戦線が迫っても、浮上の兆しはなかなか見えてこない。

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