フランスの競馬界が約2カ月の中止から一転、5月11日から無観客で開催することを宣言した。そこでにわかに注目を集めそうなのが、「美しすぎる」と競馬界の話題をさらったフランス出身の女性騎手、ミカエル・ミシェルだ。3月いっぱいまで地方競馬の南関東エリアで騎乗し、4月初旬には母国フランスに帰国。現在は現地で「レース再開」に向けて調教に勤しんでいるという。
5月3日発行の「日刊ゲンダイ連休特別号」ではそんなミシェル騎手のインタビューを掲載。これまでの日本競馬界での活動を振り返るとともに、今秋に受ける予定のJRA通年騎手免許試験に向けた日本語の習得状況についても明かしている。
《レースと取材で大忙しでレッスンを受けることができていません。でも、耳は慣れてきました》としたうえで、すでに覚えた日本の競馬用語についてこう述べた。
《スキニ。“好きに乗って任せるよ》
《ジョウバ。パドックで馬に乗る時の合図です》
《レース中ではイカセテ、イッテ》
「イカセテ、イッテ」……いかに危険を伴うレース中の言葉と分かっていても、ミシェル騎手の口からこんな言葉が聞けるとはファンも卒倒したことだろう。
「日本滞在中には『レース中に前を走っている馬が邪魔になったら、誰が相手でも“イカセテェ〜”って日本語で叫びます』と別のインタビューでも明かしています。異国の地にあっても自己主張がちゃんとできるという彼女のストロングポイントは成績にも反映されており、NARにおける1回の短期免許期間内の勝利数では歴代1位にランクイン。これは多数のGⅠ勝利を達成しているC.デムーロ騎手やオールドファンに馴染み深い名手、アラン・ムンロ騎手を抜いての記録ですから、彼女の実力を裏付けるものとしては十分。10月には再度南関東で騎乗が予定されていますから、その際には母国でさらに磨きをかけた騎乗技術を披露してくれることでしょう」(競馬ライター)
彼女が目指すJRA通年免許の2次試験である口頭試験は全て日本語で行われる。インタビュー記事には、競馬場でファンから送られる「結婚して〜」という冗談半分のエールに笑みがこぼれたというエピソードも披露されているから、日本語の理解も進んでいるに違いない。J.モレイラ、D.バルジューなど数々の猛者が通過できなかった狭き門を、彼女が通る日も遠くないだろう。
(穂波章)