中日ファンはどんな心境だろうか。
7月26日、ドラフト1位ルーキー・仲地礼亜の好投で中日が勝利した。6回を投げ、被安打1、失点ゼロ。「プロ入り後に覚えた」というツーシームが冴え渡り、立浪和義監督もこの日ばかりは“余裕の表情”で試合を見ていた。
しかし、本拠地・バンテリンドームに集まった中日ファンの中からは「これでいいのか?」の嘆きの声も漏れていた。
「この日の打線ですよ。3番・川越誠司、4番・細川成也、5番・宇佐見真吾。全員、移籍してきた選手じゃないですか。それも、川越と宇佐見はシーズン途中に…」(名古屋在住記者)
川越は移籍後、初スタメン。細川も14試合ぶりの4番だ。先制打は細川のバットから生まれ、川越は3打席に立って1安打、1四球。宇佐見も2打数1安打2四球と貢献した。
また、同試合は石川昂弥がスタメンから外れており、ビシエドもベンチスタートで“出番ナシ”だった。中日ファンが「寂しい」と思うのは当然だが、こんな見方もされている。
「昨年オフから、7月20日に入団会見を行った川越まで、立浪監督が仕掛けたトレードで獲得した選手は6人。現役ドラフトで獲得した細川もそうですが、ほぼ全員が戦力となっています。立浪監督は『見る眼』があるんじゃないか?」(球界関係者)
しかし、対照的なのが外国人選手だ。同日の試合で出場登録されていた外国人選手は、マルティネスとビシエドだけ。ドミニカ共和国でのウィンターリーグ視察で現地入りまでして選んだアキーノ、カリステ、アルモンテは二軍暮らし。もし、外国人選手を選ぶ眼力も持っていたのなら、“2年連続”で最下位に苦しむことはなかっただろう。
ちなみに、仲地のドラフト1位指名を決めたのも立浪監督だという。
「ドラフト、トレード、外国人選手。立浪監督はオフの補強の全てにかかわりました。今季も最下位で終わることになったら、立浪監督はファンに説明しなければなりません」(前出・名古屋在住記者)
“最後の補強”となる前ヤンキース傘下3Aの右腕、マイケル・フェリスは8月上旬にチームに合流する。前出の球界関係者によれば、映像資料は立浪監督も見ているそうだ。補強選手の活躍に地元ファンの心境は複雑だ。
(飯山満/スポーツライター)