田中将大の移籍先に残された中日に「松坂大輔の例」

 楽天から自由契約となった田中将大が12月8日、都内で野球教室を行った。

 スポンサーであるミズノのイベントとあって、囲み取材では「野球以外の質問はNG」という前置きがあった。それでも昨年11月に発覚した安楽智大による後輩へのパワハラ問題について「自分も一緒になって加担していただの、球団がかばって僕のそういうことを隠してるんじゃないかと書かれたりもしている。黙っていれば、それが事実として扱われる状況になっていると思う。これまでは無視してきましたけど、全然事実と違うことが。もう見過ごすわけにはいかない」と、断固たる措置をとると明言した。

 注目される移籍先については、多くの球団が田中獲得について撤退の方向だ。ここにきて楽天との再契約情報が浮上してきたものの、田中は「それがあるならこういうことにはなっていない」と完全否定している。

「また一時飛び交ったヤクルトへの移籍については、OBである楽天・石井一久シニアディレクター(SD)が、すでにヤクルトとの移籍交渉を3件も成立させていることからもわかるように、ヤクルトの高津臣吾監督とのホットラインはもちろん生きている。小川淳司GMは11月28日の時点で『調査の段階で獲得に向けた段階ではない』としていますが、“ホットライン”では田中の詳細の状況をやりとりしているとの話もありますね」(夕刊紙記者)

 そんな中、最後の有力な移籍先とされているのが中日だ。3年連続最下位からの脱却に向けて井上一樹監督が就任。田中獲得については「実績、キャリア、バリューを考えたら確かにほしいけど…」としつつも、本格的な交渉については「会社(球団)とは話していないけど、ちょっと薄いかな」と消極的だ。

「ただし中日には来季から、楽天から移ってきた小山伸一郎投手コーチが加入する。小山コーチと田中はウマが非常に合う関係で、環境としてはバッチリ。加えて中日は、2017年オフにソフトバンクを退団した松坂大輔氏が入団テストに合格して入った例もある。松坂のこのときの契約は年俸推定1500万円+出来高で、18年シーズンは6勝4敗の成績でカムバック賞を受賞。年俸も8000万円まで上がりました」(中日担当記者)

 松坂のように最後に大輪の花を咲かせることができるか。移籍先が決まらない現状のモヤモヤを早く吹き飛ばして欲しいものだが…。

(小田龍司)

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