阪神・岡田彰布監督が“後ろ盾を失った”イライラ頂点で臨む6連戦の瀬戸際

 今季連覇を目指していた阪神タイガースの歯車が狂い始めている。8月18日の中日戦(バンテリン)でもお決まりの“投壊負けパターン”に陥り、4-8で完敗。4カード連続の負け越しとなった。

 思えば昨季の今頃は、38年ぶりの日本一に向けやることなすこと全てはまっていた。その中心にいたのはもちろん岡田彰布監督だが、中日戦完敗後は「俺一人で怒っているみたいや。何もないやろ?」と番記者にぶ然とした表情を見せ、昨年とは完全に対照的となっている。古参の阪神担当記者の話。

「今季は選手やコーチに向けた叱責がやたらと目立つ。理由は負けが混んでいるということもありますが、今季が2年契約の最終年だけに、普通に考えれば来季続投の話が聞こえてきそうなものの、フロントから一切聞こえてこない。その辺りのイラ立ちもあるのだと思います」

 阪急ホールディングス(HD)が村上ファンド保有の阪神電鉄株を買い取り経営統合したのは2006年のこと。

「それ以後もタイガースの監督人事については常に阪神電鉄出身の役員が握っていました。しかし一昨年の岡田監督就任は、初めて阪急側の阪急阪神HD会長・角和夫会長の鶴の一声で決まった。そして昨季は38年ぶりの日本一で全てがうまくいっていましたが、12月に宝塚音楽学校で起きたパワハラ問題により、角会長は兼務していた学校理事を退任。そうした流れの中で、岡田監督は大きな“後ろ盾”を失った状態での采配が続いているわけです」(前出・記者)

 阪神は20日からヤクルト、広島との6連戦を迎える。

「ここで負け越すようなことがあれば、再び阪神電鉄側が主導で来季に向けた監督人事に着手するかもしれません」(夕刊紙記者)

 岡田監督にとっては、まさに真夏の正念場である。

(小田龍司)

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