ロシア・ショイグ国防相の北朝鮮入りで加速する「露朝軍事同盟」復活の可能性

 北朝鮮が「戦勝記念日」と位置づける朝鮮戦争の休戦協定締結から70年。その記念日に合わせ、平壌では27日に軍事パレードが行われる模様だ。

 今回、北朝鮮は中国に対し、朝鮮労働党と政府名で招待状を送付。一方、ロシアには国防省が参加を招請。結果、ロシア側は25日、セルゲイ・ショイグ国防相を団長とした軍事代表団を派遣。北朝鮮の軍幹部らが一団を出迎える姿が、ロシア・北朝鮮の双方のメディアによって大々的に報じられた。

 とはいえ、現在ロシアはウクライナとの戦争の真っ只中だ。その最中に、正規軍トップのショイグ国防相ほか幹部連中がこぞって本国を離れ、北朝鮮を訪れることは異例と言えるだろう。

「ショイグ国防相らがロシア政府専用機で訪朝したのは、中国代表団よりも1日早い25日未明。しかも朝鮮中央通信によれば、夜間で照明がほとんどない平壌国際空港に到着した彼らを出迎えたのは、強純男国防相、朝鮮人民軍の鄭京擇総政治局長、朴寿日軍総参謀長という北朝鮮のビッグ3と言われる軍のトップ。ロシア側が公表した映像によれば、看板には『ようこそ同志』と記され、朝鮮人民軍の儀仗兵が整列する中、ロシア国歌が演奏されるのをバックに、専用機のタラップからは赤いじゅうたんが敷かれるという歓迎ぶり。ロシアの軍事代表団の訪朝は2015年11月以来約8年ぶりとなりますが、これまでにないほど最高の歓待だといえるでしょう」(北朝鮮ウォッチャー)

 訪朝当日は歓迎式典が開かれ、翌26日にショイグ氏は平壌・万寿台にある金日成主席と金正日総書記の銅像に献花。金正恩総書記とも会談した。ロシア国防省の声明によると、ショイグ氏は「ロシアにとって朝鮮民主主義人民共和国は、国境を共有し、豊かな協力の歴史がある重要なパートナーだ」と強調したという。

「ロシアと北朝鮮との間には、プーチン氏が2000年に訪朝した際に交わした『ロ朝友好条約』があり、両国間は『主権、独立及び領土保全に反するいかなる行動、措置も取らない』となっています。この条約には、どちらか一方の国が他国から攻撃を受け場合、軍事的支援をするといったような軍事同盟条項は含まれていません。ただ現状、ウクライナとの戦争で戦果があげられないロシアとしては、消耗する武器弾薬や兵士など軍事的な支援が喉から手が出るほど欲しいはず。一方、北朝鮮もミサイル開発を続けるためには、なんとしても外貨を獲得したい。そのためには、ロシアに武器弾薬、兵士を提供するのが一番手っ取り早い。そんな両国の一致した思惑もあり、あるいは今回のショイグ氏訪朝で、1961年の『ソ朝友好協力相互条約』以来の軍事同盟復活が提案されるのでは、という見方を示す専門家も少なくありません。そうなった場合、これまでワグネルへこそこそと武器弾薬を渡していたレベルではなく、ありとあらゆる手段で全面支援することが可能になるということです」(同)

 ウクライナに勝利するためには、もやは手段は選べない状況にあるロシア。ショイグ氏帰国後の両国の情勢が気になるばかりだ。

(灯倫太郎)

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