米イエール大学教授のジェフリー・ソネンフェルド氏が率いる研究チームは、ロシアがウクライナに侵攻した昨年2月以来、グローバル企業1500社を対象に、ロシアからの事業撤退や縮小ついて調査を行っている。
7月10日に更新された同研究チームのHPによると、いまだに1000社以上がロシアで事業を継続していて、中には撤退を打ち出しながらも継続している企業もあるという。
「HPのレポートのトップには、調査対象企業のロゴを一覧で掲載していますが、そこにはマクドナルド、IKEA、H&Mといった日本人の生活にも馴染み深い企業が数多く見受けられます。アディダス、プーマ、NIKEのスポーツブランドや、IOC(国際オリンピック委員会)、FIFA(国際サッカー連盟)、UEFA(欧州サッカー連盟)といった企業・組織名もありますね」(週刊誌記者)
周知のようにマクドナルドなどは完全撤退しているが、指摘されているのは、撤退すると公表して賛辞を浴びていながら、いまだに残留している企業だ。
「ソネンフェルド教授が今年2月に行った調査では、ロシアから撤退した企業はアメリカの会社で18%、日本は15%。対してEU諸国は8.3%に留まるという結果でした。一方で、撤退を公言しつつ残っている企業でも、事業を売却する準備は出来ているのに売却先がなかったり、売却計画が持ち上がってもロシア政府に邪魔されて、撤退したくても出来ないといったケースもあるようです」(前出・記者)
戦争開始から500日以上が経過した現在、残留企業の進退があらためて注目されているのである。
(猫間滋)