オールスターゲームの小休止期間がアヤシイ。
オールスターゲームに選ばれなかった選手たちは21日まで短い夏休みとなるわけだが、フロントスタッフは対照的に“大忙し”となりそうだ。
「7月末がトレード期限です。駆け込みトレードが成立するかもしれません。試合がない分、相手側と話をする時間も増えます」(ベテラン記者)
巨人を例に取ると、原辰徳監督がこの間“フリー”になる。トレードを含む選手の人事権も掌握しているとされ、前半戦最後の東京ヤクルト戦をエース・菅野智之で落としたときの憤った様子からも、さらにトレードを仕掛けてくる可能性は否定できない。
「今月獲得したバルドナードをどう見ているのか。NPB初登板となった16日はヤクルト・オスナに本塁打を浴び、翌17日も0点には抑えたものの、ヒット2本と四球で走者を背負う苦しい展開でした。今後、バルドナードを僅差の試合終盤で使うのは厳しいと判断したのなら、『駆け込み補強』はあると思います」(同)
米球界からもう一人獲るというのは現実的ではない。補強するとすれば、パ・リーグ球団との交換トレードだろうが、巨人がギリギリの段階まで「補強」を検討できるのにはワケがある。ウォーカーに興味を持っている球団が少なくないからだ。
彼の守備難は今さらだが、「打つこと」に関しては十分に期待が持てる。DH制のあるパ・リーグ球団に移籍すれば、今以上の活躍も可能だろう。
「仮にウォーカーを放出してしまったら、長打力のある右打ちの外野手がいなくなってしまします。ブリンソンはマルチを決めた翌日、急に打てなくなったり、走塁でもうっかりミスがあるし」(同)
巨人のファーム関係者は、「ドラフト2位ルーキーの萩尾匡也を使ってくれ」という。萩尾は5月30日の千葉ロッテ戦で「1番中堅」での出場チャンスをもらったが活かすことができなかった。
「今年の大学生の日本代表合宿では、選手の声があまり出ていません。スカウト間で『なぜだ?』って話になって、萩尾がいなくなったからだとの結論に至りました」(在阪球団スカウト)
チームの精神的支柱・坂本勇人の復帰は早くても8月下旬。ウォーカー放出で投手陣を強化し、萩尾にかけてみるのも面白いかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)