中国の「秘密警察ホテル」が観光スポット化、気になる宿泊料金は?

 去る4月17日、ニューヨークで中国系と見られる男2人が米当局に逮捕された。彼らの容疑はマンハッタンのチャイナタウンに秘密警察署を開設していたことによる司法妨害。このニュースは世界各国で報じられたが、海外で反体制活動を展開する中国人などを拘束・送還するため、中国政府は各国に秘密裏に「非公式警察署」を設置しているとされ、都内にもそれが疑われる建物が存在する。

 スペインの国際人権NGO団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が昨年公表した報告書によると、日本国内で確認されているのは東京と福岡の2カ所。うち都内の拠点は千代田区内にある4階建てのビルだとされている。そのビルはJR浅草橋駅から徒歩7分、秋葉原駅からも歩いて12分ほどの距離にある。

 1、2階部分の壁面にはローマ字で建物名が記されており、ここは現在ホテルとして使用されている。公式サイトを確認すると、2つ星で部屋はわずか6室と宿泊施設としてはかなり小規模。ただし、リフォームされているのか公開されているギャラリーの画像を見ると、室内はかなり綺麗だ。

 4月20日配信の「文春オンライン」では、実際にこのホテルに泊まったルポライターの安田峰俊氏のレポートを紹介。「普通のマンション以下のセキュリティ」「不審なアンテナや武器の貯蔵施設などはないようだ」と述べており、少なくとも秘密警察の実質的な拠点は別の場所にある可能性が高い。

 それでも「サンデージャポン」(TBS系)が直撃取材を行ったり、ワイドショーでも取り上げられたりしたことで、ここが“観光スポット”と化しているようだ。今ではスマホ片手に記念撮影する者が後を絶たないという。気になる宿泊料金だが…。

「宿泊料金は公式サイト上だと素泊まり1泊1人1万3680円から。都内のビジネスホテルなら朝食付きでもっと安く泊まれますが、それでも〝秘密警察のアジト〟という付加価値を考えれば高くはないのかもしれません。不安に思う方もいるかもしれませんが、これだけ悪目立ちしていればむしろ安全。そのうち『泊まってみた!』という動画がユーチューブで次々と配信されるでしょうね(笑)」(旅行誌編集者)

 もはや秘密でも何でもないように思えるが…。

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