元TBSアナウンサーの小島慶子(50)が5月15日に自身のTwitterを更新。日本のテレビ業界で見られる男女の格差を嘆いた。
小島は「番組の節目やリニューアルのたびにメイン出演者のサポート役の若い女性出演者が“卒業”させられて別の若い女性に交代」と、女性アシスタントはある程度の年齢になると入れ替わりがある事を指摘。さらに続けて「メインの男性は黒髪が白髪になり艶肌が皺肌になるまで、長く画面に出続ける。それが日本のテレビの昔からのお決まりになっていて、また私の好きな女性出演者が交代か…と悲しみと憤り」と、自身の心情も吐露。業界に蔓延る男女差に辟易しているようだ。
小島はこのツイートに続けて、NHK放送文化研究所による2021年の調査「テレビ出演者のジェンダーバランス」のデータを引用した上で「出演者の男女比は、男性61.4%、女性38.4%」「興味深いのは職業分野別の男女比で、タレント・モデルと、アナウンサー・キャスター・レポーターでは女性の方が多い。若い女性アシスタントと中年男性芸人さんの組み合わせ、よく見かけますね」と、指摘した。小島の言う“若い女性×中年男性”の組み合わせについて、近年では疑問視する声が広がっているという。ジェンダー問題に詳しいライターはこう話す。
「昨年の参議院議員通常選挙を前に、総務省が選挙啓発のためのイメージキャラクターとして起用したのは中年の男性俳優と人気アイドルグループを卒業したばかりの若い女性でした。この起用について同省は『若年層はもとより、幅広い世代に投票参加を呼びかける』という狙いがあると発表していましたが、ネット上では批判の声が。何しろ、総務省が作成した選挙啓発ポスターは、その前の選挙でも、前の前の選挙でもイメージキャラクターに“若い女性×中年男性”がキャスティングされていましたから。ネット上では《中年女性と中年男性でもいいし、中年女性と若い男性でもいいのに、なんで毎回“若い女性と中年男性”なのか…理由を考えて反省してほしい》といった書き込みもありました。この例だけでなく、企業のCMやテレビ番組でもよく見られる“若い女性×中年男性”のキャスティングには嫌悪感を示す声が度々あがっています」
小島のツイートには多くの反響が寄せられ、《男が主役で女は添え役という古い構図、本当にウンザリする》《めっちゃわかる。些細なことだけど『女は若くなきゃ価値がない』って価値観が刷り込まれていくと思う》など、共感する声が聞かれた。消費者が抱える嫌悪感の元には、性差による活躍の格差や、若さを求められがちな女性タレントの入れ替わりの激しさなど、様々な要因が含まれると思うが、今後こういったキャスティングはいっそう物議を醸しそうだ。
(浜野ふみ)