パックンが伝授!大インフレ時代を生き抜く蓄財術5カ条(1)「お金は正しく育てて正しく使う」

 名門・ハーバード大学卒のお笑い芸人として活躍する〝パックン〟ことパトリック・ハーラン氏(52)の著書「無理なく貯めて賢く増やすパックン式お金の育て方」(朝日新聞出版)が話題だ。25年に及ぶ投資歴や節約術などを綴ったものだが、大インフレ時代を生き抜くために重要な財テク術を伝授してもらった。

 今でこそ家を持ったり、多少ではありますが生活に余裕が持てるようになった僕ですが、小さい頃は貧乏な暮らしを送っていました。8歳の時に両親が離婚して母子家庭となった頃から、母は様々な職に就いてはリストラされ、いつも家計の悩みを抱えていました。一時期は日本でいう生活保護を受けて暮らしたこともあります。

 やりくり上手だった母の節約はまず食費から。1食あたり約100円に抑え、当時安値だったターキーの挽肉を使ったバーガーと脱脂粉乳など。あとは超安かったパスタが週5ぐらいで出ましたね! そんな暮らしの中で、僕も早く働いて家計を支えられるようになりたいと思うようになったんです。

 10歳の誕生日を迎えた翌日から新聞配達のバイトを始め、毎朝5時半から6時半の間、40軒の家に新聞を配りました。16歳になって車を購入してからは配達範囲を広げ、440軒に。

 この経験から稼ぐことの大切さや、小遣いはもらえるものではなく、みずから働いて得るものだということを学びました。大切なのは「お金の価値を知り、正しく育てて正しく使う」ということですが、50〜60代の方だって今からでも遅くはありませんよ! 

【第1条】バカな借金は返すことが一番の投資。

 例えばクレジットカードの利息を約15%として考えると、15%の利益率の投資先、そういう金融商品なんてなかなか見つからないんですよ。15%の借金返済ができた方は、15%の投資ができたことと同等だと思ってください。しかも、投資と違ってノーリスクです。リボ払いなども、元値の額よりはるかに高い値段を支払うことになりますから、ご注意あれ!

【第2条】お金の振り分け上手になる。

 まず、理想論だが、借金があるのなら月収を借金返済に5割、残りの5割を家賃や光熱費、固定費を生活費に回して一気に借金返済を。借金がない場合「3対5対2」の法則で、まずは3割を投資に。5割は生活費、そして2割を娯楽に回しましょう。振り分けは給料天引きがオススメ。ギャンブルが好きな人は娯楽の2割内で抑えてください。勝ったら、祝福の乾杯に‥‥といきたいところですが、我慢して賞金を投資に回すのが鉄則です。

パトリック・ハーラン:1970年生まれ。米コロラド州出身。93年、ハーバード大学比較宗教学部卒業後に来日。97年、吉田眞と「パックンマックン」を結成。テレビやラジオなど幅広いジャンルで活躍中。

(つづく)

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