中日・立浪監督「ヒゲは許す!」方針転換の意図

 中日・立浪和義監督が“前言撤回”だ。今季より柳裕也が選手会長を務めるが、その新会長に対し、かねて申し渡していた「禁止令」の一部取り消しを伝えていたことが分かった。
 
 その訂正された一部とは、身だしなみのこと。
 
「就任当初からヒゲと金髪はNGと掲げていました。でも今季から『節度のある範囲なら』と変更したんです」(関係者)

 その背景にあったのは、ソイロ・アルモンテの3年ぶりのチーム復帰。アルモンテはモジャモジャの顎ヒゲがトレードマークだった。2020年オフに退団後、韓国、米マイナー、メキシカンリーグと渡り歩いたが、モジャモジャの顎ヒゲを剃り落とすことはなかった。

 昨年11月、チーム復帰の一報が伝えられた時点で中日ファンの間では、ヒゲ禁止方針の立浪監督の下で、「ヒゲを落としたアルモンテって、どんな感じなんだろう?」と、面白がる声も出ていたそうだ。

「じつはアルモンテが復帰契約の交渉途中で確認してきたんです。『立浪監督は身だしなみに厳しいと聞いているが、やはり自分も髭を落とさなければダメか?』と。生活習慣というか、考え方の違いだと思うんですが、『ゲン担ぎ、おまじないみたいな意味があり、それでヒゲを伸ばしているんだ』と説明されたそうです」(前出・関係者)

 アルモンテの“お願い”がスタッフを介して報告された。即答ではなかったそうだが、立浪監督も「外国人選手だけヒゲを許すのはおかしいから」と折れて、今回のNG撤回となったのだ。

 とはいえ、「節度のある範囲で」というのも微妙な表現だ。選手は「ある」と思っていても、立浪監督に「ない」と判断されるかもしれない。過去、規律を厳しくして失敗した監督も少なくない。最下位脱出は、立浪監督が「どこまでガマンできるか」にも掛かっているようだ。

(飯山満/スポーツライター)

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