中日・立浪監督だけではない!パ・リーグでもPL学園人脈が集結中

 工藤公康監督の退任を正式発表した福岡ソフトバンクホークスが“後任人事”で揺れている。南海時代も知る“ホークス一筋”の藤本博史2軍監督が後任に就くことは間違いなさそうだが、「チームの長期計画」で修正を迫られていた。

「3軍の森浩之監督がヘッドコーチに昇格するようです。小久保裕紀ヘッドコーチが2軍監督にコンバートされる見通しです」(地元メディア)

 問題は3軍のほう。3軍監督の候補者を喪失することがほぼ確実となったのだ。

「育成のホークスとも呼ばれてきましたからね。育成選手を1軍の主力クラスに成長させ、4年連続日本一の原動力になり、チームの活性化にもつながっていました」(同前)

 ある意味、2軍以上に大事な3軍の監督は、平石洋介打撃コーチに任せる方向で調整されていた。ところが、その平石コーチは退団、それも、ライバルとなる埼玉西武ライオンズに移籍するという。

「工藤監督の退任が決まり、平石コーチは後任候補の1人にも挙げられていました。選手に寄り添った指導は評判も良く…」(関係者)

 西武コーチと3軍監督を天秤にかけて、ソフトバンク退団を決めたのではない。母校・PL学園が影響していた。平石コーチはPL学園の出身。1998年夏の甲子園大会で、松坂大輔のいる横浜高校と熱戦を繰り広げた。

「平石コーチに西武移籍のオファーを出したのは、松井稼頭央・西武2軍軍監督のようです」(同前)

 松井2軍監督は平石コーチの5学年先輩にあたる。その松井2軍監督が現役時代、楽天のユニフォームを着ていたころの話だ。松井選手は一軍再昇格を目指し、2軍で調整していた。そのときの楽天2軍監督が平石コーチだったのである。

 先輩が選手で、後輩が監督というのはやりにくいもの。しかし、松井選手は敬語で平石2軍監督に接し、後輩を立てた。それが、2人の信頼関係をより深めたという。

「西武は辻発彦監督の続投が決まりましたが、松井2軍監督も『後継者』としての正式な準備に入ります。平石氏は松井体制を助けたいとの一心で、ホークスの3軍監督を断ったようです」(同前)

 PL学園のOBといえば、中日・立浪和義新監督のもとにその関係者が集結しつつあった。西武・松井2軍監督の元にもPL関係者が集まりつつある。ソフトバンクは“優良コーチ”を喪失するわけだが、快く送り出すそうだ。来シーズンはセ・パともに「PL」がキーワードになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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