【丑の日ウラ技】「格安うなぎ」が“洗い+焼き直し+追いダレ”で高級店の味に激変!

 今年の「土用の丑の日」は7月19日と31日の2回。うなぎを楽しむチャンスが増える一方で、価格は高止まりが続く。背景にあるのは稚魚・シラスウナギの激減だ。漁獲量は1970年代のピークから右肩下がりで、ニホンウナギは環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類、国際自然保護連合(IUCN)においてもEndangered(絶滅危惧)に分類されている。さらに養殖の飼料費や燃料費、人件費、輸送費の上昇が重なり、店頭価格を押し上げる構造が定着した。

 それでも丑の日にうなぎを味わいたいなら、頼りになるのがスーパーの蒲焼きだ。狙い目は1尾あたり税込1500〜2000円台。中国産の大サイズか、小ぶりな国産品が中心で、品質と値ごろ感のバランスがよい。特売で1300円を切っていたら即買いしたい。購入時は加工日が1年以内かをチェックし、真空パックの内側が白く曇った「冷凍焼け」品は避けよう。

 買ったらまず試したいのが「タレを洗い流して焼き直す」という定番の調理法だ。流水で軽くすすぎ、水気を拭いてから魚焼きグリルやオーブントースターで3〜4分。皮はパリッと、身はふっくらし、香ばしさが格段に増す。仕上げに付属タレを塗って温めれば、照りも復活する。

 さらに試したいのが「追いダレ」の自作だ。しょうゆ・みりん・酒を各大さじ2、砂糖を大さじ1で弱火にかけ、とろみが出たら完成。仕上げに粉山椒をひとつまみ振れば、既製品の蒲焼きでも専門店のような奥行きが生まれる。コストを抑えつつ、味を底上げできる万能割り下として覚えておきたい。

「丑の日は高いし混む」と感じるなら、8月中旬以降の在庫処分セールを狙う手もある。スーパーは大量発注した蒲焼きを早期に現金化するため、夕方に半額シールを貼ることが多い。冷凍保存を前提に狙い撃ちすれば、家計にも優しい。

 計画的にお得を狙うなら、ふるさと納税を活用しよう。鹿児島、静岡、愛知などの自治体は真空冷凍の蒲焼きや白焼きを返礼品としており、自己負担2000円で複数尾が届くため、1尾あたりの実質コストは市価を大幅に下回る。配送時期を選べる自治体なら、丑の日に合わせて受け取ることも可能だ。

 調理面でのもうひと手間も効く。冷凍蒲焼きを袋ごと70℃前後の湯で3〜4分温めて脂を緩めたら、表面のタレを軽く拭き取り、グリルで焼き直す「湯せん+グリル」の二段階加熱を試したい。湯せんで芯まで温まり、グリルの直火で香ばしさと皮の食感が復活する。

 2回ある今年の丑の日は、賢い買い方とひと手間の調理で「節約&満足」を同時に叶える絶好の機会になるだろう。

(ケン高田)

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