長渕剛が全国ツアー中に訴えた「北海道の土地を外国人に売らないで」が物議を醸した理由

 自身10年ぶりとなる大規模全国ツアー「REBORN Concert Tour 2022」が大詰めを迎えている歌手の長渕剛。だが、9月10日に行われた札幌公演の際、ステージ上で語った「ある発言」が思わぬ騒動を呼んでいる。

 9月27日に同公演のダイジェスト映像が公式YouTubeチャンネルで配信され、その中にこの発言が含まれていた。長渕は、

「(北海道は)その昔、開拓民たちが一生懸命に開拓した土地。お願いだからこの自然に充ち満ちた土地を外国人に売らないでほしい」

 と語りかけたのだ。10月7日に配信された香川公演(9月24日開催)の映像でも同様に、「これ以上、外国人に土地を売らないでほしい」などと発言した。

 これに対し、ネット上では、《北海道はもともとアイヌ民族の土地。そのことに一言も触れていなかったのは残念》などという批判が噴出。また、道内に20ヘクタール以上の土地を所有する70代男性は、こう憤っていた。

「固定資産税もばかにならず、相続放棄する者も多い。『売るな!』と主張するなら代替案を示してほしい」

 また、札幌の不動産会社に勤める50代男性は、「取引は専門業者が仲介するため、仮に購入者が外国人でも売り主の大半はそのことを知りません」と実情を明かす。

「海外資本のおかげでリゾートとして再生したニセコなどの例もあり、地主以外でも恩恵に預かる人は多い。それに彼らの土地購入を全面的に禁止すればインバウンドの流れに水を差すため、経済への影響も懸念される、という見方もあります」(前出・週刊誌記者)

 確かに、北海道では00年代から海外資本による土地の買い占めが始まり、元航空幕僚長の田母神俊雄氏も、19年に「中国人が北海道に持っている土地の総計は静岡県の面積を超えるそうです」とツイッターに投稿しているほどだ。

「田母神氏は、『政府は外国人が土地を持つことを規制する法律を作るべき』と国に向けて訴えています。一方、長渕はコンサート中の発言だったこともあり『場所を考えるべきだった』とも批判されていますね」(週刊誌記者)

 コンサート中の勢いに任せた発言だったのか、あるいは確固たる考えに立った上での言葉だったのか、長渕の「北海道愛」について、今後の言動が注目されるのである。

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