1枚200円だって!?「指定ごみ袋価格」は自治体によってこんなに違う

「家庭用ごみ」といえば、かつては無料回収が当たり前だったが、現在は指定有料ごみ袋の購入という形での住民負担が一般的になりつつある。00年代に入って一気に普及し、今や全国の6割以上の自治体が導入しているが、ごみ袋の価格は地域によって大きく異なるのだ。

 特に高いのが北海道。えりも町の1枚200円(45リットル)をはじめ、135円(同)の士別市、120円(40リットル)の帯広市や室蘭市、登別市など北海道では1枚100円以上が珍しくない。札幌市や旭川市などそれ以外の市町村でも80円(40リットル)に設定されているところが多い。

 一方で、指定がなかったり、無料で配布する自治体も少なくない。この違いはいったい何なのか? 地方行政やごみ処理問題に詳しい全国紙記者は次のように説明する。

「過疎や少子高齢化が進む北海道は、06年に破綻した夕張市ほどではなくても財政状況の厳しい自治体が多いんです。ごみ処理施設の場合、建設費はもちろんですが補修も含めた維持管理にも多額の費用がかかります。道内では98年に室蘭市がいち早くごみ有料化に踏み切り、批判もありましたが『仕方ない』との声も多かった。そこまで反発が厳しくなかったこともあり、他の市町村も追随する形で次々と導入に踏み切っています」

 だが、指定ごみ袋は全国的に値上げが相次いでいる。愛知県瀬戸市では45リットルごみ袋を10枚180円から500円へ値上げする案が議会に提出され、今月4日の採決でわずか1票差で否決。4月に当選した川本雅之市長はかろうじて公約を守った格好だ。

「ただ、同市の状況を考えると今後も据え置くのは難しいでしょう。有料ごみ袋は家庭ごみの減量につながるとともに、今や手っ取り早い財源確保の手段となっており、この流れは今後も変わらないと思います」(同)

 引っ越し先を選ぶ際、ごみ袋の値段も1つの判断材料になりそうだ。

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