気温マイナス30度以下だと人間はどうなるのか? 体験すると…

 1月25日は「日本最低気温の日」。今から121年前の1902年のこの日、北海道旭川市で記録したマイナス41度を記念して制定されたが、奇しくも今週は〝10年に一度レベル〟の大寒波が日本列島に襲来している。

 首都圏でも最低気温は0度を下回り、北海道ではマイナス30度以下となる地域も。でも、そんな状況下で屋外に居たら人間はどうなるのか? 以前、記者は旭川から車で1時間半ほどの場所にある北海道有数の極寒エリア「朱鞠内(しゅまりない)」を訪れた際、実際に体験したことがある。

 まず素手の状態だと1分もしないうちに寒さで指先が痛くなり、次第に感覚が無くなってくる。それだけなく両耳も数分で外側が同様の痛みに襲われた。そのため、手袋はもちろん、耳当てやニット帽など耳を覆う防寒具は必須。ここまで気温が低いと短時間で凍傷を起こす場合があり、そもそも痛みに耐えられないからだ。

 また、想像しにくいかもしれないが普通に呼吸するのも辛い。鼻毛や鼻腔、口の中の粘膜が冷気に触れることで凍り付いてしまうからだ。ゆえにマスクを着用してないと息を吸うのも一苦労だ。

 とはいえ、マスクやマフラーでカバーしていても外気に晒されている顔の部分には、肌を刺すようなピリピリとした痛みがある。また、瞬きをするたびに目にも違和感が。屋外に居たのはわずか数分間だったが、車に戻って鏡で確認するとまつ毛が凍ってキラキラと光っていた。

 なお、ロシア・東シベリアにあるトングラでは、17日に今世紀で2番目となるマイナス62.7度を観測。ほぼ倍以上の寒さで見当もつかないが、横浜みなとみらい地区にある遊園地「よこはまコスモワールド」のアトラクション「アイスワールド」ではマイナス30度の世界を再現している。
 
 プチ極寒体験をするにはこのくらいがちょうどよさそうだ。

(高島昌俊)

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