【北海道】豪雪露天風呂を堪能!極寒地帯を走る長距離路線バスが運賃無料に

 今から30年前の1995年に廃止となった北海道の深川―名寄間を結ぶ、JR深名線。この約120キロの区間には、廃止後から現在に至るまでJRバスが運行している。

 だが、途中には日本歴代最低気温の―41.2℃を観測した幌加内、道内でも特に雪が多い朱鞠内があり、大雪の極寒地帯を通る秘境バス路線としてマニアの間では有名だ。

 深川駅からほぼ中間に位置する幌加内バスターミナルまでは1日7往復、そこから名寄駅までは1日4往復(※土日祝3往復)と過疎地域ゆえに本数は少ない。バスは深川駅を出てしばらくすると山間部に入り、一気に雪深くなる。乗車した昨年12月某日は天気が不安定だったこともあり、晴れたと思ったら急に吹雪き始めるなど天候か目まぐるしく変わっていた。

 途中、バスの車窓からは現存している幌成駅や沼牛駅を眺めることができ、記者が乗った快速バスは70分ほどで終点の幌加内バスターミルに到着。その後、バスを乗り換えて向かった先は、幌加内町の中心部から10キロ以上北の町はずれにある「ルオント」だ。

 ここは20年にリニューアルオープンした道内でも人気の温泉施設。豪雪露天風呂をはじめとする複数の浴槽を持つ大浴場で温まり、風呂上がりには併設のレストランで名物の幌加内そばを堪能。次のバスまで3時間半近くもあったが、時間を持て余すどころか逆にのんびりくつろぐことができた。

 ちなみに深名線バスは「運賃無料DAY」というのを設けており、今年度の残りの開催日は1月13日の「成人の日」、2月11日の「建国記念日」、2月23日の「天皇誕生日」の計3日。「運賃無料となるのは、幌加内町内のバス停での乗降」との条件付きだが、特に同日ルオントで降車する際は、同施設の入浴割引に名物の蕎麦ジェラートアイス1個との引き換えがセットになった優待券が運転手からプレゼントされるという。

 雪深い山間の景色は、ずっと眺めていても意外と飽きず、温泉もあまり混まないので居心地もいい。いわゆる人気の観光地ではないが、興味のある方は最低気温氷点下10度以下の雪深いこの地域の自然と温泉を堪能しに来てみては。

(高島昌俊)

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