ZOZOの創業者で前社長の前澤友作氏が肝いりではじめた「ZOZOスーツ」はひっそりと国内でのサービスを終了したが、アメリカの体型マネジメントサービスで体型を計測する際に使用されることとなり、見事に復活を遂げていたことが分かった。つい先日、前澤氏がZOZO株を売却し、大株主から外れることも明らかとなり、ZOZOスーツは同氏の元から完全に離れ新たな船出を迎える。
ZOZOスーツは、専用のスーツを着てスマホの専用アプリで撮影するだけで全身を採寸することができ、通販サイトで自分にピッタリのサイズの服を注文できるサービス。しかし、17年11月22日に前澤氏の誕生日に合わせて発表され当初は大きな話題となったものの、予定日までに商品が発送されなかったり、採寸しても服のサイズが合わないなどトラブルが続出。通販サイトに出店するアパレルブランドの離脱と合わせ、ZOZOの低迷期を象徴する存在になってしまった。
結局、ZOZOスーツは今年6月23日の正午以降は計測と計測結果の閲覧機能が利用できない状況となり、ひっそりとサービスを終了。しかし、8月24日からグループ会社のZOZO Apparel USA,Inc.がアメリカでスタートさせた新サービス「ZOZOFIT」で、体型計測ツールとして使用されることになったという。
同サービスはフィットネスをサポートするもので、ZOZOスーツで体型を測定してトレーニング強化が必要な体の部位などを教えてくれるという。
「8月22日にZOZOは、第2位の大株主だった前澤氏が保有する同社の270万株を売却したと発表。大株主から外れることが明らかになったばかりでした。それとほぼ同じタイミングでZOZOスーツが新たな役目を得てアメリカに活躍の場を移したというのは、何とも運命的なものを感じます。ZOZOスーツには以前からフィットネスでの利用を推す声もありましたから、アメリカで成功する可能性も十分あるのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)
今度はフィットネス機器として日本に逆輸入される時が来るのかもしれない。
(小林洋三)