ネットでも波紋!「年収200万円で豊かな生活」が送れる場所とは?

 ずっと横ばい状態が続く日本人の平均賃金。だが、近年は年収200円台の低所得層の割合が増え、大きな社会問題となっている。

 そんな中、6月7日発売されたムック本「年収200万円で豊かに暮らす」(宝島社)に対し、ある精神科医の《色々と地獄を感じた、これを見た時》というツイートがネットで大きな反響を呼ぶことに。ネット上で同調するコメントが相次ぎ、作家の古谷経衡氏も《豊かに暮らせることは絶対にない。200万円で豊かに暮らす事を強いているのなら、それは欺瞞であり、強権であり、詐術》と強い口調でTwitterに投稿している。

「確かに、興味を引くキャッチーなタイトルで、中にはいろんな節約術が紹介されています。ただし、東京など都市部の場合、すべて実践しても年収200万円に抑えられるかは疑問。限界レベルのストイックさが必要でしょうし、そういうライフスタイスに適性がある人じゃないと精神的に豊かに暮らすのは難しいでしょう」(消費生活アドバイザー)

 今年6月に総務省が発表した「令和3年 消費者物価地域差指数」によると、全国の総合的な物価水準を100とした場合、東京都が104.5、神奈川県も103.0と突出して高い。つまり、ここで生活するにはそれだけ余分にお金がかかるということを意味する。

 一方、物価水準が一番安かったのは96.2の宮崎県で4年連続。次いで2位だったのが、昨年「魅力度ランキング」全国ワーストで山本一太知事が激怒した群馬県の96.6。続く3位には鹿児島県の97.2、4位は岐阜県と奈良県が97.3の同率で並んでいる。

「上位2県は全10項目がほとんど平均以下で、宮崎は食費、群馬は教育費がとりわけ安いとのデータが出ています。いずれも郊外に行けば土地や住宅は余っているので家庭菜園用に土地を手に入れて半自給自足生活を行ったり、空き家バンクなどを活用して家を格安で手に入れることも可能です。賃金は都市圏ほど高くないとはいえ、それを割り引いても十分暮らしていけます」(同)

 もちろん、地方だからといって年収200万円で必ず豊かな生活が送れるとは限らない。それでも田舎暮らしに抵抗がなければ検討してみる価値は大いにありそうだ。

(トシタカマサ)

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