原巨人の本命助っ人? リリーフ左腕の「黒い経歴書」

 秋山翔吾の去就に注目が集まっている。古巣・埼玉西武、福岡ソフトバンク、そして“自前主義”の広島まで獲得に乗り出してきたのはビックリだったが、プロ野球ファンが首を傾げたのは、補強熱心な巨人が静観を決め込んだこと。外野手は補強ポイントのはず。
 
 一部報道によると、巨人は「リリーフ左腕のイアン・クロルを狙っている」とあった。その通りだとすれば、「調査」に時間が掛かりそうだ。
 
「秋山、クロル、阪神と契約し近く来日するアデルリン・ロドリゲスの3人は、パドレス傘下の3A・エルパソに所属していました。この時期、30代でメジャー昇格の可能性がなくなった選手を“整理”するのも米球界の恒例行事です。昇格の可能性がなくなったといっても、それはパドレスに『空き』がないだけであって、通用しないという意味ではありません。他球団に行けば評価も違ってきます」(米国人ライター)

 クロルのキャリアハイはブレーブスで63試合に登板した2016年。昨季はデトロイトタイガースで18試合に登板しているが、防御率4点台と苦しんだ。

「今季はマイナーでスタートし、防御率は7点台。打高投低の傾向が強いリーグではあるんですが」(現地記者)

「調査に時間が掛かる」とされる理由は、成績が悪いせいだけではない。

「強心臓で、右打者も苦にしないリリーバーです。でも、高校時代に全米高校ランキング26位の好評価を受けながら下位指名となったんです。飲酒で2度も出場停止処分にされたからで、プロ入り後も差別発言などでペナルティを科されたこともありました」(同)

 また、複数球団を渡り歩いている。ピッチングスタイル同様、性格も強気。それが行き過ぎたのか、グラウンド外でも1人で行動することが多いそうだ。

 巨人の雰囲気に合わないのでは?とも思えるが、もっとも、あの中田翔も巨人移籍後は心を入れ替え、「ヤンチャのイメージ」を返上している。闘争心むき出しのリリーバーは、原巨人にいない。日本球界に適応できれば大きな戦力となりそうだが、グラウンド外での評判を確認するのは大変そうである。

(スポーツライター・飯山満)

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