バイデン大統領の口から飛び出した発言に、同席していた政府関係者の間から喜びの声が上がったという。
23日、岸田首相とバイデン大統領との首脳会談が行われ、両国は安全保障理事会を含む国連の改革と強化の必要性で一致。さらに、バイデン氏は安保理改革が実現した場合、日本が常任理事国に入ることに支持を表明。共同声明にも「支持」という文言が盛り込まれることになった。
「安保理は恒久的な地位を持つ5カ国の常任理事国と、2年の任期となる非常任理事国の10カ国で構成されており、常任理事国は安保理の議決拒否権を持つ文字通りの最重要ポスト。現在常任理事国は、米国、中国、ロシア、英国、フランスの5カ国で、いずれも第二次世界大戦の戦勝国。常任理事国を変更するためには国連憲章の改正が必要となり、国連加盟国の3分の2の賛成と、常任理事国を含む3分の2の国が批准しなければなりません。つまり、ロシアと中国が反対すれば即実現というのは難しいものの、この発表で日米同盟の揺るぎない関係と、日本という国の重要性が全世界にアピールされたことは間違いないでしょう」(政治部記者)
共同声明のなかで、米国による日本の常任理事国入りへの支持が盛り込まれるのは、2015年4月の安倍・オバマ首脳会談以来、7年ぶりのことだが、
「これまで、安保理で常任理事国が変更されたのは2回のみ。1回は、台湾(中華民国)から新規加入した中国へ権限が継承された1971年で、2回目はロシアがソビエトの地位を承継した1991年だけ。したがって、日本が常任理事国となるためには高いハードルを越える必要があることは事実です。ただ、バイデン氏が先に訪問した韓国では、そんな話は一切出なかったわけですからね。今回の件で、改めて米日韓の関係性が浮き彫りになる結果となりました」(同)
そうしたこともあってか、バイデン氏による「常任理事国支持」が報道されるや否や、韓国のSNS上には《これはまさに韓国の外交における大惨事だ!》《韓国を中国に対する当て馬にしておいて、保障は日本に?最悪な気分》《だから韓国へ先に来たのか!韓国から莫大な支援金を受けておきながら…考えられない》といった、米国への苦言が続出。その怒りの矛先は5月に就任したばかりの尹大統領にも向けられ、《冷酷な米国人に利用された尹政権は無能》《就任早々、舐められっぱなしでは韓国の将来は絶望的だ!》《文在寅のほうがマシだった》と、そのトーンはエスカレートするばかり。
その昔、米国がくしゃみをすれば、日本が風邪をひくなどと揶揄されたこともあったが、今は韓国がまさにその状況なのかもしれない。
(灯倫太郎)