ロシア軍の車両に白い塗料で描かれた「Z」の文字。ウクライナ戦争を伝えるニュース映像ではもはやお馴染みになっているが、カタールのドーハで行われていた体操ワールドカップでは、ロシアのイワン・クリアク選手が3月5日に行われた平行棒で銅メダルに輝いた際、胸に「Z」の文字を付けて表彰台に立ち、20歳の選手のアピールに周囲は騒然としたものだ。
いまやロシア軍のシンボルマークとして有名になった「Z」だが、じつは戦地では他の文字も確認されている。
「Z以外に『□に囲まれたZ』『O』『V』『X』『A』のマークが確認されています。そもそもZの文字が何を表すかについては、味方の車両を誤爆しないためという説もあれば、標的であるゼレンスキー大統領の頭文字のZ、西に侵攻するのだからロシア語で西を示す単語の頭文字……などと諸説あり、本当のところは分かっていません。そして他の文字ですが、ツイッターではウクライナの国家親衛隊のアカウントが、□にZ=クリミア部隊、O=ベラルーシから来た部隊、V=ロシア海軍、X=チェチェン部隊、A=特殊部隊と解説する画像をアップしていますが、一方でウクライナ内務省は『V』はテロリスト部隊だとしているので、これも真相は分かっていません」(全国紙記者)
チェチェンから来た「残虐部隊」として有名な、チェチェンの首長のカディロフが率いる動画を見ると、戦車にはZの文字が描かれているのが確認されたが、これはロシア軍の戦車と共に行動しているのかもしれず、やはり正確なところは不明なままだ。
ところがこと「V」に関しては、おどろおどろしい都市伝説のような説も浮上している。韓国の中央日報は外信などを紹介しながら、ベラルーシで「V」の文字を付けたバスが夜な夜な目撃されており、地元では「幽霊バス」と呼ばれているというのだ。
「伝えられているところによると、ベラルーシで『V』を付けたバスが市民によって目撃されていて、証言を合わせると、ロシア兵の死体や負傷者をこっそりベラルーシに移送しているのだという。ロシアが公式に発表している戦死者は客観的にみてあまりに少なく、暖かくなって解けた雪の中から、多数のロシア兵の戦死者が見つかっているそう。ただ、そのままロシア国内に戻すわけにはいかないので、ベラルーシを経由させて数字を少なく見せているというのです」(同)
各文字が何を示すかは不明な一方、幽霊バスについてはいかにもありそうなことで、意外に一番真相をついているのかもしれない。
(猫間滋)