勝率2割、なぜソフトバンクに勝てない!? 巨人に漂う重苦しい雰囲気

 今季も黒星スタートだ。原巨人はソフトバンクに勝てるのか? 3月9日、巨人が福岡ソフトバンクホークスとのオープン戦2連戦を落とし、重苦しい雰囲気に包まれた。「勝敗は二の次のオープン戦だから」という声もあるが、巨人は2019年、20年の日本シリーズでソフトバンク相手に1勝も挙げられなかった。

「ソフトバンクの選手は自信を持って臨んでいるように見えました。巨人は初回の攻撃で走者を溜めたものの、坂本勇人が併殺に倒れたあと、ヘンな空気になりました」(スポーツ紙記者)

 苦手意識というよりも、完全に飲み込まれているようだ。

 改めて調べてみたが、原辰徳監督が指揮官に復帰した19年以降、ソフトバンクに勝ったのは4回だけ。同年3月12、14日のオープン戦と、同年6月22日と21年5月30日の交流戦だ。19年はオープン戦、交流戦ともに3試合ずつを行い、日本シリーズ4試合を戦ったので、3勝7敗。20年は交流戦が中止されたが、オープン戦2試合と日本シリーズの計6試合で全敗。昨年はオープン戦2試合を1敗1分け、交流戦3試合で1勝2敗。21年5月30日のソフトバンクとの交流戦最終試合に勝ったので、ここでいったん「2年連続日本シリーズ全敗」の雪辱は晴らしたが、3年間でのトータル成績は4勝16敗1分け。そして今季、また2連敗してしまったわけだ。

「今年のオープン戦ですが、山口県宇部市とソフトバンクの本拠地・PayPayドームに分けて行われました。宇部市では若手、福岡に帰ってからは主力クラスも多くなり、どちらも結果を出して開幕一軍入りを目指そうと必死でした」(球界関係者)

 ただ、一軍当落を争う状況は巨人も同じだ。思えば、原辰徳監督が「セ・リーグの指名打者制導入」を提言したのも、ソフトバンクに惨敗したこときっかけだった。練習量の多さでも、巨人はソフトバンクに引けを取らない。どこでこんなに「差」が開いてしまったのか、再検証する必要もありそうだ。

「気持ちの問題では? 日本シリーズで2年続けて全敗した屈辱を解消しないことには苦手意識の克服はできないでしょう」(同)

 両チームの対戦は、5月31日の交流戦までない。ソフトバンクに連敗したオープン戦の後遺症が、ペナントレース序盤戦に影響しなければ良いのだが…。

(スポーツライター・飯山満)

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