バイデンは国家安全保障会議内に対ロシア戦略「タイガーチーム」を緊急編成。CIAと国防総省も協力して、ロシア大統領府にスパイを送り込んだ。まず軍事クーデターを起こしてプーチンを幽閉、政権を転覆させる。それがうまくいかなければ一気に――。
2月24日に火を噴いたロシア軍によるウクライナ侵攻。この世紀の蛮行による民間人犠牲者の数は、侵攻開始からわずか1週間で2000人以上に達したとも伝えられ、首都キエフの陥落はもはや時間の問題だと言われている。
そんな中、アメリカのバイデン大統領は3月1日に行った一般教書演説の冒頭、ロシアの大統領を「プーチン」と呼び捨てにした上で、「彼はかつてないほど孤立している」「自由は専制主義に必ず勝つ」「独裁者の侵略に代償を」などと訴えて、今回の軍事侵攻を痛烈に非難した。
一般教書演説で、しかもその冒頭で、このような非内政問題が語られるのは極めて異例のことだが、実はバイデン大統領は演説の直後にも、さらに異例と言えるフレーズを口にしている。スタンディングオベーションで見送る議員らに応えて右手のこぶしを突き上げつつ、次のように宣言してみせたのだ。
「ゴー・ゲット・ヒム!」
事情に詳しい日本のマスコミ関係者が指摘する。
「これを日本語に直訳すれば『彼を捕まえに行け』となります。直前に行われた一般教書演説からの流れを考えれば、『ヒム』がプーチンを指していることは明らかで、意訳すれば『戦争犯罪をエスカレートさせている独裁者プーチンを捕まえろ』という意味になってきます。実際、このバイデン発言を受け、米国のメディア関係者の間では『バイデンは本気でプーチンを拘束、処罰しようと考えている』との観測が一気に広がり始めたのです」
そこで思い出されるのが、イラクのフセイン大統領の末路である。91年の湾岸戦争、03年のイラク戦争を経てついに捕えられたフセインは06年12月、イラク国内で絞首刑に処せられた。インターネット上に流出した衝撃の処刑シーンは、かつての独裁者の哀れな最期を生々しく映し出していた。
ただ、今回の相手は米国や中国と並び称される世界の超大国ロシアの大統領である。そのプーチンをターゲットとした「ゴー・ゲット・ヒム作戦」を、バイデン大統領率いるホワイトハウスが画策しているのだとしたら、今回のウクライナ侵攻を凌ぐビッグニュースと言えよう。
「いや、バイデンは本気も本気、極めて真剣にプーチン抹殺を狙っています」
米情報筋にも太いパイプを持つ日本の軍事戦略の専門家はこう断言した上で、ゴー・ゲット・ヒム発言の舞台裏を、次のように明かすのだ。
「実はつい最近、バイデンはNSC(国家安全保障会議)内に『タイガーチーム』と呼ばれる対ロシア戦略チームを緊急編成させています。CIA(中央情報局)をはじめ国防総省などのインテリジェンスセクターもこれに協力する体制が敷かれていますが、実はこのタイガーチーム内で今、プーチン排除へ向けた綿密な極秘作戦が練られ、発動されたのです」
*「週刊アサヒ芸能」3月17日号より。【2】につづく