ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降も、ロシア寄りの発言が目立つ日本維新の会の鈴木宗男氏。「経済制裁では戦争は終わらない」とする彼の考えの根底にあるものとは? 2022年3月10日配信の記事を再びお届けする。
かつて対ロシアのエキスパートとして知られていたが、国後島の通称「ムネオハウス」をはじめとする数々の疑惑が報じられ、02年には国会で辻元清美衆議院議員(当時)から「疑惑の総合商社」と呼ばれた鈴木宗男氏。
10年9月にはあっせん収賄罪と政治資金規正法違反が確定し、議員を失職。同年12月から1年間収監され、17年の公民権回復後の衆院選では落選。19年7月の参院選に当選して国政に復帰するもニュースでは滅多に取り上げられず、すっかり〝過去の人〟に。
最近は林芳正外相と駐日ウクライナ大使との面会を阻止したとの疑惑が報じられた娘の鈴木貴子外務副大臣の陰に隠れてしまった印象が強かったが、ここにきて再び脚光を集めている。今回のウクライナ戦争ではロシア擁護の立場を取り、3月4日には国会で岸田総理に「ロシアの国際法違反は何か?」と質問。これに「武力行使は認められていない」と答弁する首相に対し、「国際法にはない。明文化されていない」と主張したのだ。
これにネット上では《この期に及んでもロシアの肩を持つのか》《親娘でロシアの親衛隊か!》《維新は宗男のせいで大きなダメージやな》などと批判が殺到している。
「3月2日の本会議で採決されたロシアへの非難決議で宗男議員は賛成票を投じ、軍事侵攻については反対の姿勢を示しています。ただし宗男氏は、ウクライナ側がロシアとのミンスク合意(14年)を履行しなかったことで、今回の事態を招いていると主張。合意には《東部の親ロシア派支配地域に『特別な地位』を与える》とあるのですが、これらの約束が守られていないというのです。ところが、侵攻により民間人に犠牲者が多数出たことでロシアが100%悪と世界中に見られてしまった。しかも、印象操作による影響もあります。そのため、宗男議員はロシアの肩ばかり持っているのではなく、感情論に左右されず客観的に判断できていると評価する声もあるのです」(国際ジャーナリスト)
3月2日に行われた維新の会合では「鈴木は『ロシア擁護』だとか『プーチンのポチ』だとかSNSで書かれている」と述べた宗男氏。批判などどこ吹く風で、ネット炎上の影響など微塵も感じさせない。この先、ウクライナ問題で同氏がどのように立ち回るのか、今後の動向を注意深く見守りたい。