仏高級ブランド「ディオール」が上海の展示会で公開したバッグを持つ女性の写真に、中国から「小さな目にそばかす、欧米人がアジア女性を偏見で見る時の表現だ」などといった批判が殺到。「ディオール」や撮影したカメラマンが謝罪する事態に発展しているが、日本のネット上では中国の批判に対して疑問の声もあがっている。
問題の写真は、11月12日から上海のWest Bund Art Centerで開催されている「ディオール」の展示会で公開された作品で、中国系の民族衣装のようなものを着た少し目が腫れぼったい、そばかすのある若い女性がディオールのバッグを持った姿が収められた一枚となっている。なお、この写真は中国の有名カメラマンであるチェン・マン氏が撮影したものだ。
しかし、これが展示されるや、中国版SNSである微博(ウェイボー)に《これは中国のみならず東アジアの女性を侮辱する写真である》《アジア人の目を必要以上に細くするのは差別以外の何物でもない》といった批判が殺到。中国メディアからもバッシング報道が相次ぐと、ディオール側は「私たちは中国人の感情を尊重している。間違いが起これば、指摘を受け止めて正していく」と謝罪し、展示作品を撤去したことを明らかにした。さらにチェン氏も「自分は未熟で無知であった」とし、「中国で生まれ育った中国人として祖国を深く愛しており、(今後は)自分の作品を通して美しい中国を伝えていく」と表明。火消しに躍起となった。
「しかし、この事態に日本のネット上では、《小さな目は東アジア人を侮辱しているっていう批判がこそが、目が小さい人を完全に侮辱してる》《写真の女性の目を修正して小さくしたとかなら問題だろうけど、中国の女の子をそのまま撮影しているなら何ら問題ない》《アジア人もディオールが似合うっていうメッセージ性も分かりやすくて、普通に良い写真だと思うけど》など、理解できないといった声が多く見られますね。もちろん、中国と日本でも文化の違いや差別の捉え方の違いはあると思いますが、そもそもこの写真を撮影したのは中国人のカメラマン。実際に差別的な意図はなく、過敏すぎる反応とも思えますが…」(ITジャーナリスト)
今後、中国で展示される写真は目の大きなモデルばかりが採用されるということか。
(小林洋三)