陽岱鋼が巨人退団を選択した。今季で5年総額15億円の契約が終了、巨人側は新たな契約の準備を進めていた。陽みずからが新天地を求めた経緯は既報通りだが、それと同時に聞こえてきたのは、「本当に、移籍先を見つけられるのか?」との声。今季の陽の成績は、打率1割4分3厘。一軍戦には7試合しか出場していない。二軍でも打率は2割3分台、巨人移籍後の5年間はパッとしなかったが…。
「他球団だけではなく、独立リーグを含めた米球界も視野に入れているようです」(スポーツ紙記者)
しかし、海外の評価は異なるようだ。陽の郷里である台湾では“日本ハム復帰”を強く勧めていた。巨人退団が発表された翌11月26日、地元メディア・自由時報(WEB版)は「陽の今後」に関する特集記事を掲載し、
「古巣・日本ハムに復帰し、台湾出身の王柏融とともに戦うことを楽しみにしている日本のファンも多い」
と伝えていた。
日本国内のスポーツニュースではそういった声は報じられていないが、陽の去就に注目が集まっているのは本当のようだ。
「宮崎フェニックスリーグで、陽はチームトップの2本塁打を放ち、中堅・若手との格の違いを見せつけていました。本人もまだできると思ったはずですし、他球団首脳陣も評価していたと思います」(現地取材記者)
今さらだが、台湾での陽の人気は絶大で、獲得のあかつきには「衛星中継による放映料」も期待できる。日本ハムで王柏融との新旧スター選手コンビが誕生すれば、さらなる経済効果も見込まれる。台湾メディアによる報道は王との新コンビ誕生をあおっているようなフシも見受けられた。
「台湾ではパ・リーグの試合が定期的に中継されていますので、日本ハムに新庄剛志新監督が誕生したことも伝えられています。新庄監督は外野守備を強化したいとしており、陽は日本ハムに必要な戦力なのかもしれません」(球界関係者)
“ビッグボス”新庄監督のもとで、台湾コンビが活躍――。陽は試合出場の機会を求めて、巨人退団を決意したという。西川遥輝、大田泰示の2外野手を手放しているだけに、そのチャンスはある。あとは、ビッグボスの決断次第と言えそうだ。
(スポーツライター・飯山満)