4月22日、居酒屋大手のワタミが日本政策投資銀行に資本支援を申し入れていることが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大により打撃を受けた飲食・宿泊事業者などを対象に政府が3月末から始めた金融政策を活用するものだが、これを疑問視する声も少なくない。
「同社は3度の緊急事態宣言で『ミライザカ』など居酒屋業態の大半の店舗が臨時休業や時短営業をせざるを得ない状況になっており、2021年3月期(20年4月1日〜21年3月31日)の純損益は116億円の赤字になる見通しです。そのため、政投銀から支援を受けて現在好調な『焼肉の和民』の出店を増やしていくとみられています」(経済ジャーナリスト)
関係者によれば、ワタミへの支援額は100億円程度になるとみられているが、それ以上になる可能性もあるという。これにネット上では、《税金投入の可能性が0.00001%でもあるならせめて価値ある企業に貸して》《労働基準を守れないようなところは支援枠から除外するべきでは?》《他にもっと支援が必要なところがあると思うんだけど…》など厳しい意見が相次いでいる。
「渡邉美樹会長の政界進出時期はブラック企業の代名詞的存在だったワタミも、一時はホワイト化したなどとメディアに取り上げられていましたが、昨年11月に『ワタミの食卓』で正社員として勤務していたAさんが過労死ラインを超える長時間労働を強いられたにもかかわらず残業代も支払われていなかったことが明らかとなり、今年3月には高崎労働基準監督署から時間外労働に関する是正勧告を受け、Aさんから東京地裁に提訴される事態となっているのです。こうしたゴタゴタにより、ワタミに対するブラックなイメージは払拭されておらず、《なぜワタミに100億も!?》という声が上がっているわけです」(経済ジャーナリスト)
融資が従業員にとってもプラスに使われればいいが。
(小林洋三)