「ゲオがドラッグストア化してる」
こんなツイートとともにゲオの「チラシ」の写真が上げられたのは10月19日のことだった。そのチラシには大きく「ゲオは安さで勝負」とあり、スナック菓子や甘栗、マスク、洗剤などを安値で売っていることを告知している。まさにドラッグストアの広告そのものなのだ。
「この『ドラッグストア化』は、ゲオの本拠地・名古屋を中心とした東海地方の店舗で多く進められていますね。同社によれば『レンタル市場の縮小』がその理由だそうです」(地元メディア)
つまり、売れない商品に拘泥することなく、環境の変化に対応しようとしているのだ。これはなにもゲオに限ったことではない。長引く不況やコロナ禍もあり、多店舗展開をする小売業や飲食業では「異業種」への参画が相次いでいる。
「居酒屋のワタミが焼肉に進出、さらには『から揚げの天才』で、から揚げブームに進出したのが顕著な例ですね。から揚げに関してはカラオケ店の『まねきねこ』を展開するコシダカHDがFC契約を結び、さらには、パチンコホールの『ダイナム』もFC契約を結びました。から揚げの天才はまた、から揚げブームが飽和状態になったのを受けて、最近では海鮮丼をメニューに加えています」(経済ジャーナリスト)
その他、店舗の別利用という意味では、やはりコロナ禍のリモートワークでスーツ需要が減ったAOKIホールディングス、青山商事、はるやまホールディングスの紳士服大手3社が、それぞれレンタルスペース事業に参入。特に青山商事はDAISOと組んだ生活雑貨の複合店や、3年前から24時間営業のフィットネスジム『エニタイムフィットネス』を展開するなど、異業種に積極的に取り組んでいる。
同じ業態にあぐらをかいていられる時代はとうに終わった。生き残りをかけて他業種に進出する時代も過渡期を迎えている。現在はさらに臨機応変に変態を繰り返す時期に来ているようだ。
(猫間滋)