日本の「食料自給率38%」はウソ!? コロナ禍でも全然大丈夫だった

 日本は世界でも食料自給率の低い国――子供のころから学校の授業でそう教えられ、今でもそうしたニュースをたまに目にする。農林水産省の発表によると、令和元年度の日本の食料自給率はたったの38%だ。

 ここ20年は40%前後で推移しており、多くの国民は「そんなものだろう」と当然の結果として受け入れているかもしれない。現に国土交通省『国土の利用区分別面積』を見ると、18年時点の日本の農地面積は442万ヘクタール。これは国土の約11.7%に過ぎず、1億2000万人以上の食事を賄うには足りないことは十分に想像できる。だが、38%という食料自給率は意図的に低く見せているという意見もある。

 食糧問題に詳しいジャーナリストは、「食料自給率にはカロリーベースと生産高ベースという2つの計算方法があり、日本は前者のほうが数値が低くなる。38%というのはカロリーベースで生産高ベースだと66%になることはあまり知られていない」と話す。

 ちなみに海外では生産高ベースで表記するのが一般的。ちなみに66%というのはヨーロッパ有数の農業生産量を誇るドイツと同じ自給率。イギリス(60%)よりも高く、先進国の中ではむしろ上位の部類だという。

「日本の農業政策は、基本的に食料自給率が低いことを前提に行っています。いずれの計算方法でも100%を割っている以上、輸入に頼らざるを得ないのは事実ですが、ここまで自給率を下げてしまったのは政府の減反政策の影響が大きい。やっていることが矛盾しているんです」(前出・ジャーナリスト)

 ただし、日本の自給率は今の水準のままでも特に問題はないとか。

「世界的にはむしろ供給過多になっています。日本はウソではないにせよ政府にとって都合のいい数字を並べることで危機感を煽っているだけ。つまり、本当はピンチでも何でもないんです」(前出・ジャーナリスト)

 言われてみれば、今は食品ロスが大きな社会問題となっているほど。確かに、言うほど深刻な状況というわけではないようだ。

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