日本の「機密情報」が中国に丸裸にされる!(2)元国会議員がA社を後押し

 それにしても、どうやって、これほどの実績を築いたのか。

「警察庁のお墨付きを得たからだ。10年ほど前、国家公安委員長などを務めた元国会議員の口利きで警察庁に入ったのだが、これを機に信用を得て、急速に業績を伸ばしていった」

 公安関係者は、そう語った上で、「我がことながら情けない」と言って続けた。

「いくら大物政治家の後押しがあろうとも、これはまずかった。Bが不可解な経歴の中国人であることに加え、中国政府が背後にいるとみられる理由がいくつもある」

 そのひとつとして、A社の入居するビルを挙げる。ここは中国資本傘下の企業の実質的管理下にあるというのだ。

「もうひとつ、ビジネスマンの仮面をかぶった在日の中国大物工作員が後ろ盾になっていることもわかっている。この人物は、中曽根康弘、細川護熙、小泉純一郎、福田康夫といった首相経験者らと交流したばかりか、親中派の大物幹事長であった二階俊博とも昵懇とされ、こうした政治工作活動の功績が認められて、中国政府への助言機関である中国全国政治協商会議の委員に抜擢されてもいる。さらに、これらのネットワークを支障なく機能させるために中国大使館の経済商務部が動いている。にもかかわらず、お墨付きを与えてしまうとは‥‥」

 今後、起こり得る事態、あるいはすでに起こってしまっていることを念頭に、慙愧の念に堪えない様子であった。

 一方、防衛省筋は、こんな内情を明かした。

「A社には陸上自衛隊OBが雇用されているため、同社との取引にはいろんな問題点があるのはわかっているが、有効な策を打てない」

 実際、同社には陸上自衛隊の元幹部2名が在籍しているという。1人はN、もう1人がT。Nは13年に入社し、現在は統括戦略室防衛システム担当部長。Tは陸上自衛隊システム開発隊付で20年退職し、同社に再就職した。ともに元一佐であるが、Tの場合、60歳に満たない自衛官に対する防衛省の就職援助により再就職したことが明らかになっている。こうなると、もう防衛省が直々に“公認”したようなものだ。防衛省筋は、こう付言した。

「A社はTやNを表に立てて、全国の(駐屯地等を管轄する)方面総監部に営業をかけ、どんどん仕事を取っている。やはり幹部であったOBには、現場も気を遣わざるを得ない」

 これらを踏まえ、Bの帰化の経緯や中国との関係などをA社に尋ねたが、

「中国当局とは関係がない」

 とだけ言って、取材を拒否。疑念は深まる一方だが後日、公安関係者はこの件に関連して、こんな指摘もした。

「元議員の暗躍ぶりは目に余る。奴がかかわっているのは、機密情報を保有する官公庁への浸透工作だけじゃない。先端技術を保有する研究機関はもちろんのこと、技術に優れる中小企業への情報工作、さらには中国マネーで馬主組合などを組織し、それを通じて良質な農地や水源にまで中国が手を伸ばせるよう指南することなどにも手を染めている。それが最近、確認された。これは許し難い」

 いやしくも閣僚まで務めた政治家が中国のお先棒を担ぎ、危険なたくらみに手を染めているとは‥‥。いったい、この国は、どうなってしまうのか。

(時任兼作/ジャーナリスト)

*「週刊アサヒ芸能」10月12日号掲載

ライフ