もちろん、藤井氏は批判するばかりではなく、自著「ゼロコロナという病」(産経セレクト)では、具体的なコロナ対策の提言も行っている。
「第1に、指定感染症の分類を1・2類相当から5類に準ずる水準に『緩和する』ことが必須。例えば、若年者やワクチン接種者に対しては1・2類相当でなく、5類相当の扱いを許可する等の対策を図る。これによって、医療供給力を抜本改善することが可能となります。
第2に、医療供給力増強のために、徹底的に政府支出を拡大する。例えば、看護師が今不足していますが、看護学校や大学などの看護学生などを政府が雇い上げたり、全国の開業医たちを対象にコロナ対応医師を雇い上げると同時に、諸外国と同様、体育館やテントなどを使って病床を拡大する」
特に最大のネックになっているのが「看護師不足」。この件についての提言は、
「まずは『濃厚接触者になった看護師は使わない』という規制を撤廃。ワクチンを打っていて、PCR陰性なら、濃厚接触者になっていても使うようにする。
次に『産休で休んでいる看護師』が今、大量にいますが、彼女たちの保育を充実させ、勤務できるようにします。特に今、『夜勤の看護師』が圧倒的に不足しているわけですが、そのためには、夜勤ができる若手の看護師が必要であり、かつ、そんな若手の看護師の多くが、産休で休んでいるという実情がある。だから、保育充実だけで、かなりの看護師が確保できるのです。
最後に、看護学校や大学の学生などの看護師の卵たちに徹底研修を行い、政府が雇い上げて派遣する。
いずれにしても、現場の声をしっかりと拾い、看護師を確保する取り組みを政府が徹底的に推進することが肝要です」
こうした医療体制の強化すら講じない政府の愚策ここに極まれり、と言えよう。
*「週刊アサヒ芸能」9月9日号より。(4)につづく