女子ゴルフツアー開幕!賞金女王候補・古江彩佳が「氷の女」と呼ばれる理由

 コロナ禍で異例の統合となった女子ゴルフツアー「20−21シーズン」。2021年の開幕前の時点(3月3日時点)で、賞金ランク1位の笹生優花(19)と2位の古江彩佳(20・写真)は9000万円オーバーで、3位の原英莉花(22)に2000万円以上の差をつけている。

「2人とも安定感があり、逃げ切る可能性が高い。笹生の魅力は280ヤードを誇る飛距離だけでなく、平均パット数も鈴木愛、勝みなみに次ぐ3位。グリーン周りのアプローチを見ても、下半身の安定感が半端ない。基礎トレに野球の守備練習を取り入れているなど、まだまだ進化し飛距離も伸びている。ドライバーの打球音を、ぜひライブで聞いてほしい。びっくりしますよ」(ゴルフライター)

 ナショナルチーム出身の古江は「氷の女」という異名を持つほど勝負強い。

「昨年3勝のうち2勝がプレーオフで制したもの。メンタルが強く、安定感が抜群。昨年のパーセーブ率なんて、ただひとり90%オーバーで、平均ストローク数も1位」(民放局スポーツ担当記者)

 2人を追うダークホースは小祝さくら(22)と鈴木愛(26)だ。

「小祝は18年に38戦、19年が39戦でともに8位と、まさに鉄人タイプ。おっとりとした天然娘はミスを翌日に引きずらない。逆に17年と19年の賞金女王の鈴木は慢性の腰痛と手首痛に悩まされて好不調の波が激しい。ですがツアー通算16勝を誇るように、連勝するタイプで、今年の目標も『5勝して賞金女王』と明確です」(民放局スポーツ担当記者)

 だが、依然としてコロナ禍にある日本列島では、スケジュール通りに試合が組まれたとしても、「不測の事態」が待ち受けている。

「JLPGAが初戦の『ダイキンオーキッドレディス』で、ギリギリまで『有観客開催』にこだわり続けたことからも、2人への期待がうかがえます。野外スポーツながら、ギャラリーが移動して観戦するゴルフでは、コロナ対策が非常に難しい。特に『しぶこフィーバー』対策ですよね。東京五輪の有名人聖火ランナーの『密』対策が難航しているケースとよく似ています」(スポーツ紙記者)

 有観客試合は19年最終戦の「LPGAツアー選手権リコーカップ」以来、1年3カ月ぶりとなる。広告代理店関係者が明かす。

「昨年12月の『全米女子オープン』で3日目までトップを走っていた渋野が最終日に逆転負けした時、落胆するJLPGA関係者の理由を聞いてびっくりしましたよ。『2つ目のメジャー制覇を逃したことも悔しいけど、渋野には米ツアー参戦の権利を獲り、21年は渡米してほしかった』と語っていた。看板娘が米国に流出することよりも、国内ツアーの有観客を望んでいましたね」

 開幕戦後の2、3、5戦目が既に無観客決定だが、今年こそはライブで美女対決を楽しみたいものだ。

■女子プロゴルフ年間獲得賞金ランキング(2020年12月15日更新)

1位:笹生優花(19)9389万1170円

昨年、彗星のごとく現れる。「オフに練習場で打ち込み、自慢のドライバー以外もレベルアップ」(ゴルフ担当)。本人も「ウッド、アイアン、パターで評価できたポイントもあったが、安定性を上げていきたい」と話す。

2位:古江彩佳(20)9050万2992円

昨年ツアー3勝のミレニアム世代のエース。今年1月には東京五輪強化指定に選ばれる。「課題は、調子が良くない時でもスコアをできるだけ崩さないようにすること」だそうで、オフはショットのレベルアップに取り組む。

3位:原英莉花(22)7072万2208円

ジャンボ尾崎軍団所属。昨年はメジャー「女子オープン」「リコーカップ」の2冠制覇。オフの課題に「持ち味のショットが不調だったので、高弾道を意識して再現性の高いスイング作り」を挙げていた。

4位:小祝さくら(22)6288万6208円 

黄金世代。07年国内賞金女王の上田桃子を慕う。オフは宮崎で約1カ月間の合宿を行い、走り込みや下半身強化に励む。課題にはパットとフェアウェーキープ率を挙げ、「今年の目標は複数回優勝」と宣言。

9位:鈴木愛(26)3677万7182円 

17年、19年の国内賞金女王。昨年は14戦にフル出場も優勝がなく、世界ランクも22位まで落とす。オフはパッティング技術のレベルアップを図り、「今年の目標は5勝、そして賞金女王」と、きっぱり連覇宣言。

35位:渋野日向子(22)1652万9600円 

昨年は国内外で4戦も予選落ちし、「しぶこスマイル」が影を潜めた。本人も「評価できるポイントは特になく、課題は答えられないくらい多く見つかりました」。ただ、最終戦の「全米女子オープン」で4位と復調の兆しあり。

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