コロナワクチン「知らないとヤバい」基礎知識、製薬会社による効果の違いは?

 いよいよ医療従事者向けに先行接種が行われるコロナワクチン。一般市民への接種は4月以降と見られているが、その副反応や有効性についてはいまだ疑問だらけ。専門家に「知らないとヤバい」基礎知識を解説してもらった。

アジア人は、他の人種よりワクチン接種で効果が出るのか? 

 結論を言えば「否」である。

「理由は、過去のワクチン接種においても、人種間で効果に差があるケースは少なかったからです。とはいえ、臨床試験では、アジア人は効果がない、副反応が多いなどとは言われていないので、今のところ心配しなくていいですね」(感染症研究者でアメリカ国立研究機関博士研究員・峰宗太郎氏)

 さらに気になるのがその後の影響。実情はぜひとも知りたいところだ。

副反応はあるのか?

 果たして、いきなりワクチンを接種して大丈夫か。少なからず副反応例は報告されている。NPO法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏に聞くと、

「副反応は大なり小なりあります。インフルエンザのワクチンを打った時を想像していただければ分かるように、ワクチンを打った場所が腫れるなどの短期的な炎症や熱が出る、だるくなるなどの症状が現れることがあります。ただ、インフルエンザワクチンよりも強い症状だと言われています」

 ごくまれに、重度のアレルギー反応であるアナフィラキシーショックも確認されている。

 米疾病対策センター(CDC)が発表したデータによると、昨年12月14〜23日に約189万人がファイザー製を接種し、アナフィラキシーを起こしたのは21人だった。100万人あたり11.1人の割合で発生していることになり、インフルエンザワクチンの1.3に比べると格段に多いようだ。

ワクチンを接種しない方がいい人もいる?

「ワクチンが承認された時の条件をよく読んで、打つ、打たない選択をするというのが前提です。注意すべき人は、過去に激しいアレルギー反応を起こした人や持病がある人です。例えば、重い免疫不全や免疫抑制剤を飲んでいる、HIVに感染しているなどの免疫関係の病気がある人ですね。妊婦さんや授乳中の方もデメリットとメリットを比べることになるので、しっかりと医師に相談することが大切です」(峰氏)

 国内でワクチン開発を進めている製薬会社関係者も、続けて言う。

「一度ワクチンを打った人は、期間を置いたとしても別の会社のワクチンは打たない方がいいです。効果が変わる可能性と、安全・有効性のデータがまだないからです」

 アルコールに限らず、チャンポンは危険という認識のようだ。高齢者は特に打つメリット・デメリットを考えて主治医と相談したい。

製薬会社によって効果の違いはある?

 アメリカをはじめ、イギリス、中国、ロシアなど世界中の大企業が全力を注いでワクチン開発を行っているが、日本国内でもワクチン開発は、シノギを削っている。そのアプローチも様々で、企業によって製造・保存方法もバラバラだという。峰氏によれば、

「企業によるワクチンの違いは明確にありますね。それぞれの会社が得意な方法で、なおかつ勝算のあることをやっているということです。第一三共が開発しているmRNA(ワクチン)はファイザー社とモデルナ社と同じような仕組みなので、期待できると思います。富士フイルムが製造受託契約を締結した、VLPセラピューティクスジャパンのレプリコンワクチンはmRNAを改良したものなので、さらに効果的である可能性がありますね」

 安全性に定評のある国産ワクチンの開発が待たれるばかりだ。

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