北海道「カラス集団死」は毎年夏になぜ起きる?「5G電波説」も浮上して…

 北海道札幌市西区の公園で9月1日、カラス5羽の死骸が発見され、ほかにも衰弱した10羽以上のカラスが見つかったと現地メディアが伝えた。

 札幌西署によれば、カラスに目立った外傷はなく、石狩振興局が死骸から検体を取って簡易検査した結果、鳥インフルエンザも陰性だったという。

「振興局によると、今年7月にも東区の公園で7羽の死骸が見つかったとのことで、その時も、死骸には目立った傷などはなかったということです」(地元紙記者)

 実はここ数年、札幌周辺ではカラスの集団死が頻発しており、18年には札幌の公園や複合施設敷地で計12羽、19年も8月に札幌の公園2カ所と、北広島の会社敷地で計30羽の死骸が発見されているが、いずれも原因は不明だという。

 このニュースを受け、SNS上には、

《カラスが夏バテとかする生き物なのかどうかは知らないけど、今年の気候は人間以外にもしんどいだろうとは思う》《何か変なもん喰ったんだろ…とは思ったが、カラスって普通は人目につくところで死なないので不気味ではある》《この猛暑では、地表に出てくるミミズはすぐに干からびるし、人間が出す生ゴミもすぐに腐るだろうし…。やはりエサ不足からくる餓死の可能性が高いのでは》

 といった憶測と不安の声が上がり、さらには、世界的に導入が始まっている「5G」こと第5世代移動通信システムとの関連性を疑う書き込みも…。

《イギリスのニュースで5Gに変えた駅の周囲で一斉に野鳥が100羽近く大量死したニュースを思い出した》《ついにですかね!? もしかしたらですが5Gの電波が原因? 小動物だからいいけど本格的に5Gが始まったら、人にどれだけの影響が出るのか?》と犯人説まで飛び出す始末。

「原因は諸説あるものの、現段階ではまだハッキリわかっていないのが事実。ただ、専門家によれば、食べ物を求めてごみステーションに行ったカラスが、そこで食中毒の原因となる菌の入ったごみを食べてしまった可能性が高いとのことです。特に幼いカラスは、食中毒の原因となる菌への耐性が低いため、感染しやすい。結果、下痢を繰り返し食欲が低下、すると2日〜3日で死にいたってしまうそうです」(前出・地元紙記者)

 今年は札幌でも8月の最高気温が34.2度を超える記録的な猛暑となった。当然、残飯も傷みやすかったはずだ。さらに、猛暑が山間部の生態系に多大な影響を与え、そのせいでエサを求めて人里へ下りてきたヒグマやキタキツネによる農作物被害も頻発している。

「人間が出した残飯を食べて、カラスが食中毒を起こして死にいたったことが、原因としてきちんと証明されれば、不安もなくなりますが、今はあくまでも可能性が強い、という段階ですからね。飼い犬がヒグマに襲われ、畑はキツネやタヌキに荒らされ、おまけに子供が遊ぶ公園にはカラスの死骸……。コロナの影響でただでさえ、今、札幌のイメージは下がりっぱなしですからね。当局には一刻も早く集団死の原因を突き止めてもらいたい。それが多くの札幌市民の声だと思いますよ」(前出・地元紙記者)

 コロナに加え、近年の異常気象は人間よりも野生動物に、さらなる影響を与えていることは間違いなさそうだ。

(灯倫太郎)

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