リモート会議に上座・下座を反映!?「Zoom」新機能で“Web席次論”が勃発

 7月下旬頃からツイッター上に「会議の開始5分前にはルームに入りましょう」「終わるときは深々と頭を下げながら会議終了ボタンを押す」「お客様より先に退出してはいけません」といったWeb会議の“謎マナー”が投稿され批判を呼んでいるが、Web会議ツールの「Zoom」が新たに搭載した機能が、この謎マナーを助長するのではないかと心配する声が相次いでいる。

 新たにZoomに追加されたのは「カスタムギャラリービュー」と呼ばれるもので、会議のホストもしくは共同ホストが、参加者の表示順を変えたり、特定の参加者を強調表示できる機能だ。変更した表示順は、会議の参加者たちが共有できるようになっている。

「実はかねてからZoomに対して『社内会議で役職者を上座に表示させたい』といった声があり、まさにそれが実現できるようになったわけです」(ITジャーナリスト)

 ただし、一方ではこんな声も聞こえてくる。

「ホスト側からの、“気を遣う手間が増えた”という不満です。上段が上座というのはわかりますが、位置にこだわるのであれば、では左右でどちらが上座になるのか、という話にもなってきますからね。そもそも、この機能は日本のビジネスマンが意識する席次に配慮して追加されたわけではなく、Zoomで記念撮影などをする際に、おさまりがいいように配置をいじったり、たとえば誕生会などでの“主役”が強調されやすくするためのものなので、リモート会議で上座や下座にこだわるのはナンセンスと言えるでしょう」(前出・ITジャーナリスト

 Web会議上の“配置”の議論は、不毛というべきなのかも。

(小林洋三)

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