いま、SNSなどを中心に、ポテサラや唐揚げを作るのは「簡単」か「手間」かの論争が巻き起こっているのだが、ユーチューブのチャンネル登録者数104万人を誇る料理研究家のリュウジさんが「今時『簡単にそうめんでいいよ』なんていう人まさかいないとは思いますが」と、そうめんを作るのも簡単じゃないとツイートし、新たな火種となっている。
一連の料理論争は7月8日にとあるツイッターユーザーが「『母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ』の声に驚いて振り向くと、惣菜コーナーで高齢の男性と、幼児連れの女性。男性はサッサと立ち去ったけど、女性は惣菜パックを手にして俯いたまま。私は咄嗟に娘を連れて、女性の目の前でポテトサラダ買った。2パックも買った。大丈夫ですよと念じながら」とつぶやいたことに端を発し、8月10日に放送された「スッキリ」（日本テレビ系）で、街頭インタビューに応じた男性が「手抜きだと思う料理」に唐揚げを挙げたことで、主婦の作るどの料理が手抜きでどの料理が手抜きでないのか、議論に拍車がかかっていた。
そんなところへ冒頭のそうめんツイートが投稿され、リュウジさんは「素麺はこのクソ暑い中鍋にお湯を沸かし茹でザルにあけ熱気と戦いながら流水にさらし、氷水で冷やして薬味とつゆまで用意しなきゃならん『先生…素麺が…食べたいです…！！』位言われなきゃ作る気にもならん、素麺を舐めるな」とそうめんを作るのがいかに大変かを説明。
これにネット上では、《確かに夏場で火を使う料理は全部めんどくさい》《そうめんも真剣に作ったら茹で加減が結構難しいからな》など賛同する意見がある一方、《では、そうめんよりも簡単な料理って一体何なんでしょうか？》《そんなこと言い出したら家で作れる料理がなくなるわ。さすがにネタツイートだと思いたい》など否定的なものも少なくなかった。
「リュウジさんのツイートは1万件のリツイートと約5万件いいねが付けられるなど、大きな話題となっています。なお、リュウジさんは『うちの母親は自分から「今日そうめんでいいべ？簡単だからよ」って言って作ってます』とのリプライに、『作り手が言う「簡単」と食べ手の言う「簡単」は天と地ほどの差があるんですよ』と解答。要するに、どんな料理でも作らない人間が簡単と言うなということですね」（ネットライター）
そもそも、「簡単に作れるものでいいよ」というリクエストは禁句なのかもしれない。
（小林洋三）
