血糖値を上げない「B級グルメ」はどっちだ?(2)鍋焼きうどんは言語道断!

●うどんvsそうめん

 温も冷もイケる、まさに昼メシの王様と言えるうどん。そして、これからの季節の主役となるそうめん。後者は製造過程で表面をコーティングするための食用植物油が使用されており、カロリーの高さが心配される。が、食後血糖値の上昇を示す指標「GI値」の高さでは、

「うどんのGI値は80、そうめんは68で、うどんの方が血糖値が上がりやすいことが示されています。さらに、うどんは単体で食べることが多いそうめんと違い、揚げ物をトッピングしたり濃い味付けで煮込んだりと、うどん以外の糖質もプラスされることが多いですよね」(板倉氏)

 となると、天ぷらが入った鍋焼きうどんは言語道断なのだ。望月氏も「勝者はそうめんですね」とキッパリ断言。

「そうめんの糖質自体は、うどんよりも少しだけ多いんです。が、やはりGI値の高さは見逃せません。ちなみに、うどん消費量が全国平均の2倍を誇る『うどん県』こと香川県は、全国でも糖尿病人口が多い県で、自治体でも『県民病』として注意喚起がされているほどです」(望月氏)

 令和3年度の糖尿病死亡率が全国2位となってしまった香川県は、近年「野菜食べん県から野菜も食べるうどん県へ」というスローガンを掲げ、糖質の摂りすぎを見直している。我々も見習いたいところだ。

●たこ焼きvs広島風お好み焼き

 お次は粉もの対決だ。うどんと同じく小麦粉がメインだが、広島風お好み焼きの生地はクレープのように薄い。小麦粉が少ないはずだが、

「キャベツなど野菜が多いという点では広島風お好み焼きに軍配を上げてもいいのですが、焼きそばが入っているのが難点でね‥‥」

 と板倉氏が言えば、望月氏がこう続ける。

「広島風お好み焼きは焼きそばも加わり、1人前あたりでは糖質が80㌘ほどで、お茶碗2膳分のご飯と同じぐらい。たこ焼きは糖質メインですが、1人前ではお茶碗1膳分ほどです。でも野菜とタンパク質の両方を摂れるのはお好み焼きの方ですね‥‥」

 この勝負はドロー。ただし、両者とも「マヨネーズなどで糖質量がアップするので要注意」(望月氏)

●カロリーゼロコーラvs缶コーヒー

 仕事でもうひとふんばりしたい時に、口にする機会が多い両者だが、勝敗は割れた。まず望月氏は「ゼロコーラ」に1票を投じる。

「カロリーゼロは人工甘味料に『アセスルファムK、スクラロース』を使っており、直接には血糖値を上げません。厚生労働省などの指針に沿って商品が作られているので、適量なら大丈夫と考えます」

 だが、最近になって指針が変わったそうで、板倉氏が解説する。

「今年5月、WHO(世界保健機関)が人工甘味料を長期にわたり日常的に摂取すると、糖尿病発症のリスクにつながるとのことで、新たなガイドラインを発表したんです。それを踏まえると缶コーヒーですね。ポリフェノールが含まれているし血糖値を下げる働きがあるから、ただし、無糖のものにかぎりますよ」

 血糖値が気になり始めたら、常に最新情報もチェックする必要があるのだ。

(つづく)

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