高級食パンだけじゃない!「唐揚げバブル」は崩壊するか?

 近年、全国的な出店が続いている「高級食パン」。各地に次々と専門店がオープンし、人気となっているが、「デイリー新潮」は24日、〈ふわふわで甘い「高級食パン」ブームに翳り 半年と持たず閉店する店舗も〉というタイトルの記事を配信。数多くのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。

 ただし、ブームの裏側で閉店ラッシュが予想されるのは何も高級食パン店だけではない。ここ数年で急成長を遂げた唐揚げ業界も同じだ。

 日本唐揚協会の調べによると、全国の唐揚げ専門店の数は18年4月時点の1408店舗に対し、21年4月時点では3123店舗。約222%増というとんでもない伸びを見せているが、閉店数に関するデータは公開されていない。
 
 飲食業界向けサイト「飲食.com」によると、ジャンルにもよるが、飲食店が開業してから1年以内に閉店するのは30〜40%、3年以内だと50〜70%にもなる。仮に、この数字を当てはめると、人気の唐揚げ店とて、この3年間で1000店舗前後が閉店していた可能性があるわけだ。

「コロナ禍が後押しして、唐揚げ専門店の需要を後押ししていますから、閉店数はもっと少ないかもしれません。ただし、現在の状況はハッキリ言ってバブル。タピオカ店がそうであったように、増えすぎると早晩ブームは収束する。ある日を境に出店の数を閉店の数が上回るトレンドに入ります」(フードライター)

 唐揚げはテイクアウトやデリバリー専門なら1坪程度の小さなスペースでも十分。35〜45万程度の初期投資での開業が可能だ。フライヤーを使うのでマニュアルさえあれば素人にも簡単に調理でき、下味をしっかりつければ安い海外産の鶏肉でも美味しく作れる。しかも、業績が思うように伸びなければ撤退も簡単だ。

「最近はワタミやすかいらーくの外食大手が唐揚げに参入していますが、もともと低コスト経営なので、小さな店舗なら撤退しても損失は少ない。だから、ブームが去れば閉店ラッシュが起きるのは間違いないでしょうね」(同)

 ブーム終焉とともに店舗数が一気に減ったケースは過去にいくらでもある。国民食の唐揚げであってもその運命から逃げられないようだ。

ビジネス