買い占め・転売だけじゃない!「吉村イソジン発言」が招いた株式市場の大混乱

 8月4日、吉村洋文大阪府知事が会見で、「嘘のような本当の話」として、ポビドンヨードを含むうがい薬でのうがいが、新型コロナウイルスの重症化を防ぐ可能性があるという研究結果を発表し、直後から「イソジン」などが買い占めされるなど混乱が起きた騒動。

「吉村氏によれば、府の宿泊療養施設の患者41人を対象に1日4回ポビドンヨード配合薬によるうがいをおこなったところ、コロナウイルスの陽性率の低下が認められたそうです。なお、うがいをしなかった人の陽性率は4日で40%の低下にとどまったものの、うがいをした人は9.5%まで低下するという結果になったといいます」(社会部記者)

 この会見を受け、同日にはポビドンヨードを含む「明治うがい薬」を販売する明治ホールディングスの株価が一時7.7%高の8990円まで上昇してイヤーハイを記録し、ポビドンヨード配合うがい薬が、薬局の店頭だけでなく、アマゾンなどネット通販でも売り切れが相次いだ。

「吉村氏は会見で『不必要な買い占めとかはぜひやめていただきたい』と話していましたが、全国各地で買い占め行為が相次ぎ、『メルカリ』などフリマアプリでは高額転売する転売ヤーも登場する始末。結局、発表について各メディアに出演する専門家が『軽率』『発表は時期尚早』などと反論。5日には吉村氏も『予防効果があるということは一切ないし、そういうことも言ってない』などと、当初の鼻息荒い発表からずいぶんとかけ離れた釈明となり、明治株も一気に反落となりました」(前出・社会部記者)

 コロナ禍で首長としての気負いはわかるが、サンプルの少ない研究結果に飛びついた吉村氏も、うがい薬に群がった人々と何ら変わりはない。日本の株式市場に大混乱を招くような発言は控え、冷静にふるまって欲しいものだ。

(小林洋三)

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