汚れがよく落ちると評判の刑務所の受刑者が作る洗濯用石けん「ブルースティック」が、大手通販サイトなどで高額転売されていることが問題となっている。コロナ禍で刑務所の工場作業が減り製造数が限られたことと、主な販路だった即売会などが中止になっていたため、転売ヤーの餌食になったとみられる。
「同商品は横浜刑務所横須賀刑務支所の受刑者が製造、包装、出荷までを手作業で行う洗濯用石けんで、刑務所作業製品(CAPIC)の公式店舗や公式サイト、即売会などで販売されています。3本セットで400円と非常にお手頃な値段で販売されていますが、靴や靴下、ユニフォームの泥汚れ、Yシャツの襟などの頑固な皮脂汚れ、服のシミや黄ばみなどがキレイに取れると主婦から人気で、刑務所作業製品の中では売れ筋ナンバー1商品となっているのです」(社会部記者)
今年6月からは寄附者の要望によって横須賀市のふるさと納税の返礼品にも登場するなど、人気のブルースティック。CAPICの公式サイトでは転売目的とみられる大量購入もあったといい、現在は在庫切れ状態となっている。その一方で、大手通販サイトでは定価の3倍以上となる1300円ほどで転売されているのだ。
「2020年度と21年度は刑務所作業製品の売上高はコロナの影響で販路が限定されたため、平年の5割程度まで落ち込んだといいます。その影響で安定した売上や作業量を維持することが難しくなっているというので、転売対策や売上確保のためにもブルースティックは値上げするのもアリだと思います。どうやら、3倍の値段でも買いたいという人はいるようですし、値上げすれば転売ヤーはそれ以上の値段に設定しなければ儲けが出ないので、なかなか手を出しづらい状況は作れるのではないでしょうか」(フリージャーナリスト)
現在、CAPICの公式サイトでは一日1回の注文で1セットまでと購入制限を行っているが、もっと厳しい対応が必要なのかもしれない。
(小林洋三)