コロナ禍の花嫁を救え!「GoToブライダル」が必要とされる切実な理由

 新型コロナウイルス感染拡大の第二波が到来している今、窮地に追いやられているのがブライダル業界だ。いくつもの結婚式場が倒産の危機に直面しており、SNS上では、「これ以上挙式を先延ばしにしたら式場が倒産してしまうかもしれない」「倒産されたらキャンセル料どころか既に支払っている費用が踏み倒されるかも」と言った挙式を控えた花嫁たちの悲鳴が飛び交っている。

 地方に目を向ければ、すでに倒産してしまった企業もあり、式を挙げられなくなったカップルに無料で会場を貸し出しする慈善サービスを行っている企業もある。日に日に感染者数が増加している中、ブライダル業界は未曽有のピンチを迎えている。

 緊急事態宣言が発令された4月、挙式シーズンを迎えたブライダル業界は対応に追われた。ゲストらが全国から大勢集まり、高齢の親族らも列席し、さらには会食までも行う結婚式は感染リスクの塊であると人々から敬遠された。挙式を予定していたカップルのほとんどが、コロナの収束を信じて10月、11月への延期を決めたのだという。

「春の挙式シーズンでは、ほとんどのカップルがコロナの流行により挙式を断念、秋のシーズンへと挙式を先延ばしにしました。式は全くと言っていいほど行われないというのに、延期の日程調整や返金対応に追われ、寝る間もないほど忙しく、神経をすり減らす毎日でした」(プランナー業者)

 延期された式の準備を控えている結婚式場も、コロナの再拡大に日々頭を悩ませている。「9月以降は、延期された式の予定である程度は埋まっており、復調を期待しています。しかし感染者数が増えてきている中で再度の延期を検討されている新郎新婦も少なくないです。延期には追加料金がかかることもあり、収束の目処が立たない場合は、キャンセルラッシュになることも想定されます。何より、『一生に一度の結婚式を成功させる』というお客様からの信頼で成り立っているビジネスですので、もし式場が感染経路となってしまえば信頼はガタ落ち。一発アウトです。もしそうなれば倒産にも繋がりかねないため、コロナ感染に怯える日々を過ごしています。感染対策を万全にしてゲストをお迎えするためには仕方のないことなのですが、遊びや旅行を自粛し続けているスタッフたちのストレスは溜まる一方です」(式場関係者)

 新規の結婚式の予約もほとんど入っていないという。

 ネット上では、このような状況にあるブライダル業界を心配してか「GoToウェディングキャンペーンもしてほしい」「令和の花嫁のために式場に救済を」という書き込みも散見される。生きるか死ぬかの瀬戸際にまで来てしまっているブライダル業界にも、救いの手を差し伸べる必要があるのではないだろうか。

(浜野ふみ)

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