“脱ギャル”だけじゃない!?「セシルマクビー」全店閉鎖を招いた要因とは?

 アパレルメーカーのジャパンイマジネーションは7月20日、歌手の浜崎あゆみも愛用しカリスマ的人気を誇ったギャル系ブランド「CECIL McBEE(セシルマクビー)」の全43店舗となる直営店の閉鎖を明らかにした。今後はブランド名を残し、ライセンス事業として継続するという。

「同ブランドは90年代から『渋谷109』を代表するブランドとして10〜20代女性を中心に圧倒的な支持を得ていました。歌手やモデルなどにもファンが多く、『CECIL McBEE』で働く店員は”カリスマ店員”としてメディアで取り上げられることも少なくありませんでした」(ファッションライター)

「渋谷109」では00年から13年連続で売上ナンバーワンを誇り、06年には月に1億円以上の売り上げを達成。地方に出店すればファンが行列をなし、セールや福袋の販売に客が殺到して救急車が出動したこともあったが、ここしばらくはファストファッションに押されて低迷が続いていたという。

「低迷の一番の理由は、ギャル系ファッションブームが終焉したことに他なりません。加えて、そのために”脱ギャル”を掲げリブランディングしたことも、むしろファン離れを加速させる結果を招きました。さらに17年放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)では、孫請け工場において、外国人技能実習生への“ブラック”とも言える労働環境が報道されたことで大炎上し、ブランドイメージが悪化したことも追い打ちをかけた原因の一つと考えられます」(前出・ファッションライター)

 ファッションの一時代を築いたが、最後は新型コロナウイルスによる休業がダメ押しとなり、幕を閉じることとなった。

(小林洋三)

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