今月19日に厚生労働省がリリースした接触確認アプリ「COCOA」。アプリを自身のスマホに導入するだけで、近接通信機能(ブルートゥース)を用いた接触確認機能が始動。新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性がある利用者には通知が届き、検査や保健所のサポートが速やかに受けられるという優れものだ。市中感染の経路を追うのに一役買うことになるこのアプリ、発表を受けてネット上では「ブルートゥースで行動を把握されてしまうの?」「自分がいつどこに行ったのか知られてしまうのは不安」といった声が上がったが、厚労省発表によると利用者はお互いの素性がわからないようにプライバシーは保護されているとのこと。6月23日現在、371万件ダウンロードされている。
この期待のアプリ、実はリリースから1カ月間は“試行版”であり、現在は機能の修正をしつつ完成を目指している最中だという。リリース直後、インストールした利用者から様々な細かいバグが発見され、指摘が相次いだという。
「気になるセキュリティ関連のバグはいまだ発見されていないものの、登録時、プライバシーに関する利用規約に同意せずともアプリを利用できてしまったり、利用時に確認される『ログ記録と通知を有効にする』かどうかの選択肢を一度『有効にしない』を選択すると選びなおすことができなかったり、アプリが落ちてしまうといった細かなバグが確認されました。今後アップデートで修正が期待されます」(システムコンサルタント)
国民全員が期待のアプリにバグが見つかったことでネット上では一時炎上騒ぎに。実はこのアプリはボランティア同然のプログラマー有志たちにより開発されている。そんな中である開発者のTwitterには心無い苦情めいたコメントが殺到。非情な仕打ちとも言える猛批判を受けた開発者は「これ、間に合わなかったんですわ…」「審査とリリースのスケジュールカツカツでwww」「何があっても3週間で完璧なモノを作りあげろと言われ、へっぽこエンジニア烙印を押されるわけだ…ツライ」と心情を吐露。しかし、同時に体制の整わない中、アプリ開発に携わったという彼には現在ねぎらいのコメントも多く寄せられている。
心ない声を寄せる前に、皆が懸命にコロナ終息に向けて努力しているということを忘れないで欲しい。
(浜野ふみ)