「COCOA」開発者を「メンタル破綻」に追い込んだ安倍政権に批判の声

 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染者との接触を通知するスマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA」で不具合が起きたため、陽性者の登録に必要な処理番号の発行を一時中断すると発表。度重なる不具合にメディアからは厳しい批判にさらされているが、ネット掲示板などでは擁護する声も多く見られた。

「同アプリは利用者同士が1メートル以内の距離に15分以上いると濃厚接触と判断され、お互いのスマホに暗号化した情報が記録されます。その情報は14日間保存され、陽性登録者と濃厚接触していた場合に通知が届く仕組みになっています。しかし、アプリ公開直後に不具合が発生。また、7月3日から8日までの感染者数が約1200人だったにもかかわらず、陽性登録したのはわずか3人と普及率があまりに低いなどの問題が次々と噴出しているんです」(フリーライター)

 これに対してネット上では、《開発した人を責めるのではなく、最低限必要な期間も与えず場当たり的に無理やり作らせた政府に責任がある》《開発者様には本当に頑張ってほしい。不具合は付きもの》《いやいや、これだけ急ピッチでアプリ作ったんだから、むしろバグは少ない方だろ》など意外にも開発者に同情する意見が相次いでいる。

「開発者に同情の声が集まるのは、『週刊文春』(7月16日号)が”安倍政権がアプリ開発者側に過剰な負担を強いていた”との記事を掲載した影響も大きいでしょう。記事によれば、開発に半年から1年はかかるアプリをスケジュールありきで開発させ、過剰な負担を強いていた可能性があることを示唆しており、アプリのプログラムの開発に携わったA氏はツイッター上で『この件でコミュニティーはメンタル共に破綻しました』と投稿し、『COCOA』の開発から離れる意向を明らかにしています」(ITジャーナリスト)

 7月10日からはイベント開催の制限が緩和されたことで、「COCOA」活用への呼びかけが増すなか、開発スタッフの心理的負担が懸念される。

(小林洋三)

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