東京都マッチングアプリで独身男性を悩ませる「年収」証明義務の壁

 東京都が独自で開発を進めるマッチングアプリが、今夏にも実用化される。厚生労働省が発表する都道府県ごとの出生率では東京が全国で最低となっており、アプリで婚活を促進させたい狙いがあるが、「年収」の入力が必須であることから、低所得者の男性がマッチングするのは厳しいとの指摘もある。

「都は昨年12月から、交流イベントの参加者を対象にAIが相手を探してくれるマッチングアプリの先行利用を開始していましたが、全都民に開放されることになります。なお、最近ではマッチングアプリでのロマンス詐欺も増えていることから、顔写真付き本人確認書に加え、独身証明書の提出が必要で、他にも源泉徴収票など年収を確認できる書類の提出も求められ、所得などの情報は相手から見られる仕様になるといいます」(社会部記者)

 6月5日に厚労省が発表した「令和5年人口動態統計」によると、1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が過去最低の1.20と8年連続で低下。中でも東京都だけは唯一、公式発表としては初めて1を割り込む0.99となり、出生率の低さが浮き彫りとなっている。ただ、都の調査(21年)では「結婚には関心があるが婚活していない」独身者が7割いるといい、安全かつ気軽に利用できるマッチングアプリで出会いのきっかけを後押しする。

「しかし年収を相手側が確認できるとあっては、特に低所得者の男性には厳しいかもしれません。国立社会保障・人口問題研究所が2022年に発表した『第16回出生動向基本調査』によれば、女性が結婚相手に求める条件では『経済力』が91.6%と重視される傾向にある。また、今年3月にWeCapitalが発表した『年収と結婚に関する意識調査』でも、未婚女性が男性に求める年収は500?600万円未満が23.9%とトップになっているのです。ちなみに、日本人男性の平均年収は563万円(22年民間給与実態調査)。いざアプリに登録したところで即弾かれてしまうのではないか…そう思ってしまう男性は少なくないはずで、都はアプリ使用を有料化で検討しているというだけに、なおさら敷居の高さを感じる方は多いのでは」(結婚コンサルタント)

 前もって互いの年収を確認しておくことは後々のトラブル回避のためにも必要と思われるが、確かに何とかならないものか。

(小林洋三)

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