沖縄・与那国島に自生し、地元で「長命草」と呼ばれるセリ科の野草には実にさまざまな成分が含まれている。
「中でも特筆すべきは、カロテンやビタミンEなど、強い抗酸化作用のあるものでしょう。血流改善や動脈硬化の予防に効果的な成分ですね。つまりは『血管のサビ』を落とすわけです」
と話す医療ジャーナリストは、さらにこう続ける。
「イソサミジンという成分にも強い血管拡張作用があるために、高血圧の予防に効果を発揮するといいます」
それが「心筋梗塞、脳梗塞で倒れる人がいるとはあまり聞かない」という証言につながるのである。
つまりは不規則な食生活や暴飲暴食、人間関係などのさまざまなストレスでたまりにたまった血管のサビがキレイに落ち、高血圧を是正した結果、心筋梗塞や脳梗塞といった「突然死」を回避できるというわけだ。
血管の劣化を促進する肥満にも、長命草は効果を発揮する。
「含まれるプテリキシンという成分が生物の細胞に直接働き、肥満を抑制することが、琉球大学熱帯生物圏研究センターの研究で明らかになっています。ラットのエサに長命草を混ぜると、体重が減るのを確認。その効果を生むのが、化合物の一種であるプテリキシンであるとの分析結果が出たんです」(前出・医療ジャーナリスト)
このプテリキシンが各種細胞に働きかけ、中性脂肪の合成を抑制していることを突き止めたという。
肥満を抑制することで、血管や心臓、脳への負担は軽減され、これまた突然死回避へ寄与することに。
「これは余談ですが‥‥」
と言って、さらなる特質について前出の医療ジャーナリストが続ける。
「長命草に含まれる成分の中には、抗酸化物質のポリフェノールもあることがわかっています。抗酸化物質とは要するに、人体をサビつかせて細胞をガン化させる活性酸素の働きを抑制するもの。長命草のポリフェノール含有量はニンジンの20倍、ブルーベリーの約4倍、ゴーヤの約7倍とも言われています」
「血管のサビ落とし」効果については先に触れたが、ガン予防につながる「人体のサビ落とし」でもあったのだ。
「結局のところ、与那国島の特殊な風土が関係しているんです。ポリフェノールは基本的に、太陽の紫外線や強力な潮風が強ければ強いほど、実やタネを守るため多量に作り出されます」(食文化ジャーナリスト)
とはいえ、与那国島まで行って長命草を採取するのには、時間と手間がかかりすぎる。粉末にして料理に混ぜたり、水に溶かして青汁として摂取できる手軽なものも流通しているので(健康秘術特捜隊・問い合わせ03・5628・3312)、気になる御仁は参考にするといいだろう。
かつて沖縄を含めた日本人は食物繊維たっぷりの野菜や野草をたくさん摂り、栄養バランスを維持していた。ところが近年の急激な肉食促進で便通などの新陳代謝がスムーズにいかず、体内、ことに血管に過剰な有害物質が残るようになってしまった。
現代の日本人ほぼ全員に、与那国の厳しい断崖絶壁でたくましく育った長命草パワーによる「サビ落とし」が必要かもしれない。